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We are EMESIS  作者: 凩
2/15

第二話

「つーわけで、部活やりたいんスけど」

「どういうわけだよ」


 昨日寿司屋でユウキに「考えとくわ」とか言った手前、何となく職員室に聞きに来た。


 この人は担任のイガラシ。

 普通にいい先生だと思う。 授業はまるで聞いてないけれど。


「軽音部ねぇ……一応昔あったから、音楽準備室にモノだけ残ってるけど」

「じゃあイイじゃないっスか」


 やべえ、簡単にできそうじゃん。

 じゃあ活動内容とかどうするかなぁ、なんて考えていると、イガラシが「でも」と話を続ける。


「4人いないと部活作れないぞ」

「マジか」


 友達は皆部活入ってるし、ユウキを数に入れてもあと2人集めなきゃならんとは……。


「面倒くせ……」


 俺は廊下を歩きながら考える。

 ……部活を作ろうとするかどうか。



 ○



「作るなら協力するぞ」

「えーそっち系~~?」


 イガラシとの会話を伝えたところ、ユウキは意外にも乗り気だった。

 一蹴されれば「だよな」と言って諦めるつもりだったが、こうなればちょっと頑張ってみるか……。


「どうやって集めるの?」

「まずは掲示板に紙でも貼っておく」


 俺はノートを取り出し、適当に募集文の候補を書き始める。


 ……意外と難しいな、キャッチコピー考えるの。


「何でそんなにノート白いんだ」

「こんな感じでどうかな」


 ・青春の汗を流そう!

 ・バンドマンはモテるぞ!

 ・物怪


「一番下の何?」

「読める?」

「もっけ」

「何で読めるんだよ」


 ダメだ、胡散臭いキャッチコピーしか浮かんでこない。

 青春の汗って何だよ。

 モテねーよ。


「……ダァメだ、思い浮かばん」

「普通にやることと募集の内容だけ書いてればいいでしょ」


 いやぁ、まあ……。

 そういわれればそうなんだけどさ。


 俺は渋々ながらも筆を走らせる。

 コレで人来るかなぁ……。


「できた」


 ー軽音部設立のためー

 現在2名

 4人から部として認められるので、ギターとドラム以外であと2人募集


「MMOのパーティ募集じゃないんだぞ」

「もうコレでいいよな」


 妥協する気も、本気で設立を目指してる感も一切ない募集分だが、コレ以上考えるのも面倒なのでよしとする。


 俺はノートから完成した募集文を千切って席を立つ。


「おい待て」

「何だよ」

「まさかそのまま貼るの?」

「そうだけど」


 「はー信じらねえ」みたいな顔でユウキは俺を見る。

 まあ確かに、普通はもうちょっとデカイ紙に書くよな。


「俺に任せろ、明日には共産主義のポスターみたいにして持ってくる」

「それはそれでどうなんだよ」


 見てみたい感はあるが、人を寄せ付けない度的には、俺のノートの切れ端ポスターと大差ない気がする。


 ユウキの提案したポスターは、いつか書いてもらいたいなと思いつつ断り、2人は下駄箱近くの掲示板に歩いてゆくのだった。


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