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We are EMESIS  作者: 凩
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第一話

 高校生活は短い。


 唯でさえ短い学生時代の内、更に3年しか無いほど短い。


 俺がそれを嘆き、部活でもやるかなぁ。

 と考え始めたのは、2年生になった頃である。


「つっても運動部は面倒なわけよ」

「じゃあ文化部は?」


 ケーキ数皿が並んだテーブル、コーヒーが2杯。

 なんてこと無い放課後の、なんてこと無い帰路の道草。

 俺と友人は今更入れる部活を考え始める。


「なんか今更入りづらいだろ」

「やる気ないなお前」


 今はもう5月の中頃。

 桜も散り、入学した後輩たちが学校に慣れ始めた頃である。


 部の勧誘合戦も終わって、騒がしかった校門には、胡散臭いチラシの1つもない。


「今寿司かよ」

 

 俺はなんとなく寿司皿を取った。 ここは回転寿司屋。

 デザートのメニューが充実しているので、最近はここに立ち寄ることが多い。


 しかも寿司まで食える。


「軽音部とかありゃなぁ」

「まーた言ってる」


 俺は、趣味でギターをやっている。

 腕には自信がある方だが、近かったからという理由で選んだこの高校に軽音部はなかったのである。


 故にDTMデスクトップミュージックなんかで、1人黙々と曲を作っていたりしていた。


「誰か作ってくんねぇかな~~~」


 殆どデザートとコーヒーで居座って1時間。

 流石に飽きてきて、伸びをしながら俺は願望を口に出す。


「前から思ってたけど……」

「ん?」


 スマホから目を移さずに友人、ユウキが話を切り出す。

 身長は低め、マヨネーズみたいな目に優しい金髪のドラマーで、入学してすぐできた友達だ。


 部の紹介をしている掲示板の前で、俺と一緒に「軽音部ないのか……」と呟いていたところから仲良くなった。


「自分で作れば?」

「……面倒じゃん?」

「……ダメ人間」


 そう、俺はダメ人間。

 今更輪に入っていくのも嫌だけど、自分で輪を作るのも面倒。


 ユウキのジト目から視線を逸し、目のやり場に困ったので再び上を見て伸びをする。


「あー……。 一応考えておくわ」

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