第1章 その2
昼休みの食堂で今日もいつも通り由良と長良姉弟四人でテーブルを囲んでいた。
「今日の日替わり定食は唐揚げか。」
皿に盛りつけられたのは大きな唐揚げが四つほどにおしんこ、サラダにゴマが振りかけられた日の丸弁当。そして味噌汁。
これでたったの二百円だ。本当に安い。
しょっぱなからこんな話題だった。
「まさか晴くんがこんなことやってるとは思わなかったなー。」
「私も正直驚きでした。」
「おめーら。言ってねーよなぁ。」
俺はとても低い声で威圧的に長良姉弟を睨みつけた。
「「言ってない言ってない。」」
二人同時にそう返答しながら手を横に振った。
素振りまで一緒だ。
双子ってそういうもんなのかな?いや気のせいか。
「うちら、誰一人も言ってないし、ね。」
「ええ。知っているのは私達四人だけですって。」
そう長良の弟の結城が補足を入れる。
まあでも、四人だけの秘密ならいいが、この秘密がいつまで続くかわからない。
でも、一般常識人で純粋な長良姉弟にオタク成分満々載な俺達がこの事を姉弟に教えていいものなのか正直ものすごい分からない。むしろ純粋なこの二人をオタクに染め上げてしまう可能性があった。……でも、まあいっか。染め上げても。実際それが野望だし。
そんなオタクに関してずっと話し合われた今日の昼休みだった。