腐りきったこの世界へ
なぜ、こうなった?僕は何か悪いことをしたのか?
わからない…神様…どうして僕は…
少年は走っていた。
夕暮れに染まった赤色の空の下を。
ただ、必死で走っていた。
・・・何故、僕は走っている?
背中から追って来る混沌から逃げる為だ。
そして、生きる為だ。
何故、こんなくだらない世界を僕は生きようする?
答えは単純死への恐怖だ。
しかし、少年のすぐ後ろまで混沌は迫っていた。
その時、少年、黒崎蓮馬は死を悟った。
…どうしてこうなった?
時間は約数分前に遡る。
彼は借りていた本を返す為に図書館を訪れていた。
その時、ふと尿意を覚え、トイレに入った。
その中はとてつもなく異様な匂いがした。
そして、異様な音がした。
まるで、人が何かを食べる様な…
彼はその音がする一つの個室を開けた
するとそこには、若干丸みを帯びた体型をした黒い化物。その後ろには腹が開かれ、腸が剥き出しになった人の死骸。その光景を見た少年は叫ぶこともできずに走り出していた。
化物はおそらく、トイレの窓を割って少年を追ってきたのだろう。
そして、今の状況に至る。
…16年か。
短かったな俺の人生…
黒崎蓮馬は、今は亡き両親の顔を思い出す。
そして、静かに目を瞑り、化物が自分を捕食するために殺すのを待った。
化物が彼に止めを刺そうとした。
…おかしい。何故奴は俺を殺そうとしない?
そう思い、目をゆっくり開ける。
そこには、首を斬られ、倒れ込んでいる化物と、血まみれになり、おそらく、化物の首を斬ったであろう日本刀を持った1人の男の姿。
助かった。そう思い、男にこう言う。
「…ありがとうございました。」
男が口を開いた。
「今、喰種1体を処理した。後処理は警察に任せるぞ。」
それは自分に向けられていない言葉だとすぐに分かった。少年は再び男に話す
「ありがとうございました!」
つい先程よりもかなり大声で発した。
男は驚愕の表情を浮かべこう返した。
「あまり大声を上げるな。もう少し人の耳をいたわれ。」
「すみません、あの、ありがとうございました。」
「それはこちらも仕事だからいいんだが、お前あいつらとどこで会った?」
「図書館ですけど。」
「…そうか。」
「あの、すみませんがあなたは?」
「俺か?俺は…探偵だ。」
初めての投稿ですがいかがだったでしょうか。
作者としては若干長く感じたので、次回は短めにしたいと思います