episode9 再会と武器制作依頼
再会します
メシアも成人を迎えました
いやー成長ってはやいね
俺も今年で成人を迎えた
ギルドで討伐ミッションを受けようにもSランクにならないか?と誘われるんで行きたくない
Sランクになればその分いいミッションを当ててもらえる
しかし、どこかのお抱えになってしまう可能性がある
………非常に面倒くさい
王都はここでおさらばかな~?
「…メシア、今日は出かけないの?」
シルフィアか
「どうしようかね、Aランクになったせいで行ってもSランクにならないか?って誘われるだけだからな~」
「そうなんだ……」
あれから5年が経ちシルフィアもだいぶ心を許してくれた
まぁ、いまだに宿暮らしで同じ部屋なんだけどね
うなされる事もなくなったが多分習慣になったんだろう
ギュッ………
「ん?」
シルフィアが手を握ってきた
珍しい……明日は雨かね?
「…今失礼な事考えてた?」
「い、いや!!べ、別に……」
「そう……」
………沈黙が痛い
何故に手を握ってきたんだ?
「…メシア、私も冒険者になりたい」
「どうしてだ?」
「…………」
「……言いたくないならいいぞ?」
「……メシアが冒険者をしてる間、ずっと淋しかった」
「……」
「…だからメシアと一緒に冒険者したい」
「そっか……」
「……ダメ?」
うーん、まぁ、ステータス的に大丈夫…と言うかさすがハーフエルフだなと言いたい
◇◇◇◇◇
ステータス
名前 シルフィア
性別 女
年齢 14
種族 半森人族(獣人)
HP500/500
MP1500/1500
SP1500/1500
level15
適性魔導
風属性--中級
上級
超上級
水属性--初級
中級
土属性--初級
精霊魔導
風精霊--上級まで
水精霊--中級まで
土精霊--中級から
適性スキル
ステータス閲覧
剣術--片手剣
ナイフ術--初級
中級
投函術--ナイフ
片手剣
弓術--初級
中級
加護
精霊王の加護
精霊神の注目
と、なっている
一応魔層の儀はしたらしくステータス閲覧のスキルは得ている
ハーフエルフなので風と水の魔法が得意なのだろう
そして獣人族は土属性を得意とする者も多いらしい
そのため初級だがシルフィアも会得してるようだ
スキルの方も弓術や投函術などエルフを思わせるものと剣術やナイフ術など獣人の戦い方に合わせた能力も持っている
これが100万分の1の奇跡でしか生まれない人族以外のハーフか
こりゃあかなり強くなるな
しかも精霊王の加護がある
これは自分の会得してる精霊魔導の精霊と契約しやすくなる
ただ自分の適性魔導と同等以下でなければ契約しずらいという難点がある
あと精霊神の注目は精霊魔導を取得しやすくするものだ
あ、加護だと自分の持っている適性魔導と同じ属性の精霊魔導は必ず取得するというものだ
しかも上限なし
つまりこの世の全ての精霊と契約しようと思えばできるのだ
まぁ、他の人と契約してる精霊とは契約できない
だってそうだろ?精霊は一つの個体に一つしか宿らない
ならもし同じ契約をしてる人間が同時に読んだら?
精霊は契約そのものを一番に大切にしている
だからどっちにも行こうとする
しかし、体は一つ……精霊は多重契約と体が一つという矛盾から存在そのものが消えてしまうのだと言う
なので精霊神が有罪なる裁判官に頼み込みそれを秩序としてもらった
まぁ、それをしなければ世界規模の消滅が起きてしまう
あいつらの秩序は世界が存在してこそあるものだから
「……しゃーねーな、よし、シルフィアも冒険者だ。早速ギルドへ行こう」
「……!!…うん」
何故か驚いてたな
まさか拒否されるとでも思ったのか?
うーん、まだトラウマが消えてないんだな
◇◇◇◇◇
「ここがギルドだ。捕まってろよ?この時間は混むからな」
「…うん」
ギルドへ入る
ガヤガヤ
相変わらず騒がしい
とりあえず受け付けへ--
「おうおう!ギルドへ女連れとはやるなテメー!!イチャイチャしやがって!!」
「お、おい!!バカ!!あいつに絡むな」
「うるせーよ!!ガキがギルドに来るのもイライラするってのにその上イチャコラしてんだぞ?ムカつくじゃねーか!!」
「わかるがそれ以上あいつに絡むな!」
「うるせー!!」
ドン!
「ぐっ」
「テメーみたいなガキが来る場所じゃねーんだよ!!そこの女置いてさっさと出て行きな!そうしたら見逃してやる」
ブチッ
あーなんか切れたわ……
「……」
「なんか言えよガキが!!びびって声も出ねーのか?」
「はぁ~、……るっせーんだよ!!ゴブリンの糞塗れ野郎が!!それ以上そのゴブリンの肥溜めみてーな匂い放つ腐れた口閉じねーと【自主規制】にまみれたそのきたねー【自主規制】の皮ひん剥いてテメーの【自主規制】に【自主規制】と一緒にぶち込むぞこのゴブリンの肥溜め【自主規制】野郎が!!」
シーン
静まり返ったのはほんの数十秒ほど
「ガキが……ぶち殺してやる!!」
剣を抜き迫ってくる
「剣抜いたな?」
バババババ!!ドーン!!
「こぽこぽ」
白目を剥き泡を吐く男
まず何をしたかと言うとまず鳩尾に一発グーパンチ、それから横腹に左足で蹴りそのあとそのまま顔に左足で蹴りアッパーカット。もう一度左肘で鳩尾を肘打ちし掌低を食らわしぶっ飛ばしたあとシルフィアの手を握った
あ、最初の一撃食らわせる前にシルフィアの手は離したぞ
「あーあ、やっぱりこうなったな~、【銀連撃】のメシアに絡むからこうなる」
ん?銀連撃?どういうこと?
「なぁ?」
「は、はひ!!」
「いやいや、そう緊張すんなよ。で?銀連撃ってなんだ?」
「な、なんだ?自分の2つ名を知らないのか?」
「いつの間に付いたのかすら知らん」
「あんたの戦闘スタイルから来てんだよ。初手で魔法やれ体術やらで攻撃したあと連続で剣で斬ったり上級魔法をぶっ放したりして殲滅する。しかもその銀髪をたなびかせてな。この国の重騎士長とその妻の聖霊の魔女がコンビを組んでた時にしていた方法だ。それを1人でやるとはな」
「まぁ、本人達から聞いたんだよ」
「すげーな!!あの2人は今まで1人しか弟子をとってなかったらしい。そうか、お前が弟子……アレ?お前5年前からこの戦闘スタイルだよな?弟子が旅立ったのこの間らしいし女って聞いたぞ……お前女?」
「お前死にたい?」
「いやいやいや!すまない!!」
「まぁ、いいや。へぇー弟子取ったんだな」
「なんか知ったような口調だな、あんま大口叩くと怒られるぜ?」
「はっはっは、そりゃあやべーな、まぁ年がら年中イチャイチャしてセレスティアさんに怒られてるさ」
「お前重騎士長の関係者?」
「残念、ハズレだ」
「だよなー」
「血縁者だ」
「へ?」
「だ・か・ら、血縁者だ」
「うそ?」
「本当、俺のフルネームはメシア・ノット・アルビストだ。アルビスト領で聞けばわかるぞ。いつも何故か敬語で接してきてたからな」
「そうな--」
「メシア!!」
「あ?」
いきなり呼ばれて振り返ってみると俺と同い年くらいの女が立っていた
身長は160センチくらいか
あ、俺は生前と同じ身長だ
胸は………Cか……
緑色の髪を肩まで切ったショートカットだ
「……誰だ?」
「え……わたしのこと覚えてないの?」
「…メシア、この子誰?」
「さぁ?どちらさ…うっ!」
「……グスッ…ず、ずっと……メシアに会うた……グスッ…会うために……頑張ってきた……グスッ…のに…」
「…メシア泣かした……早く思い出して」
「はぁ!!ち、ちょっと待てよ……緑色の髪……セシルはちげーよな、話し方ちげーし」
「そうだよ……」
「は?」
「だから!!セシルだってば!!」
「はぁー!?……いや、だってセシルはアルビスト領に」
「だからメシアに会うために頑張って修行して会いにきたの!!」
「うそー!?マジで!?」
「マジで!!」
「……うん、一旦お前にアイアンクローだな」
「え、やだよ!!なんで!?」
「いやぁ、俺が落ち着く為」
ギチッ
「痛い!やめて!!いやぁ!!」
「あ、このリアクション……セシルか?」
「そう!!さっきからそう言ってるよね!!だから早く!!やめて!!」
「いや、もう少し」
「いやぁー!!」
落ち着きました…
◇◇◇◇◇
ギルドに併設されている食堂(夜は酒場)にいる
「で?何しにギルドへ?」
「メシアを助けるため!!」
「俺を?助ける?」
「うん!!」
「ほぉ~、お前がね~、何?アイアンクローまたくらいたい?」
「え!なんでよ!!」
「お前が俺を助けようなんざ10年早いわ!!」
スカッ
「ん?」
「ふふふ、さっきは油断してたけど今度はくらわないよ」
「はぁ~、で?証明書は?」
「何それ?」
「は?待て待て、お前冒険者になるために来たんだよな?何故冒険者証明書を知らない」
「いや~、自分で名乗ってればいいのかと……」
「アホか!!何の為にギルドがあると思ってる!!つーかランクだって依頼者がどのレベルの冒険者に依頼するか決める目安なんだよ!!自称冒険者を防ぐ為の処置だぞ!何だと思ってたんだ!!」
「……うぅ、すみません…」
「ったく」
「…メシア?登録すれば冒険者なれる?」
「なれるぞ。とりあえずシルフィアは人見知りがあるから俺が付き添ってやるよ」
「ねぇ?メシア?さっきから気になってたんだけどその娘、誰?」
「あー、紹介すんの忘れてた。こいつはシルフィア、元奴隷の身分だが色々あってな。保護って名目で俺と暮らしてる」
「暮らしてる!?じゃあメシアの恋人?」
「ちげーよ、極度の人見知りで俺みたいに信頼されている奴が仲介しねーとしゃべらないの」
「そうなの」
「あぁ、で?シルフィア、こいつはセシル。俺の故郷の幼なじみだ。いい奴だしあんな屑と比べるのがおこがましい程優しいやつだ」
「……」
ジーー
ガン見だ……セシルをガン見してる
「え、えーっと」
チラッ
セシルが俺を見てきた
これは目を逸らすべきだな
スッ
「ちょ、ちょっと!!なんで目を逸らすの!?」
「その方が面白いかな~って」
「ねぇ、なんでガン見されるの?説明してよ」
「あぁ、自分なりに見極めようとしてんだよ。付き合ってやれ」
「わかったよ……」
ジーー
2人は見つめあったまま固まった
その時俺は
「すいませーん、これとこれを2つずつ持ってきてください。あと果実水も」
「はい、ただいま」
飯を注文していた
◇◇◇◇◇
ギュッ
「ん?」
「…メシア、この子いい人、メシアと同じ匂いする」
「俺と?」
スンスン
「うわっ!!ち、ちょっと、メシア……ち、近いよ……」
「わざとだ、気にするな」
「え、えーっ!!」
別に俺と同じ匂いなんてしないぞ?むしろセシルの方がいい匂いだ
「…そういう匂いじゃない」
「あー、なんとなく察した」
感覚的なやつね
「とりあえず登録して依頼を見てみるか」
「わかった」
「…うん」
◇◇◇◇◇
登録の仕方は簡単だ
水晶に手を乗せ自分のステータスを証明書にコピーさせ血を垂らせば完了
「………メシア…。……痛いのやだ………」
「大丈夫だ、ほら手」
「……うん」
やっぱり痛いことにはまだトラウマがあるようだ
何故か知らんが俺がいる時は大丈夫らしい
「……痛い。………やだ、やだ、やだ、やだ」
ギュッ
なでなで
「大丈夫だからな?俺が側にいる間はこんなのへっちゃらだろ?ほらもう終わってる」
「本当だ………」
「な?大丈夫だったろ?」
「め、メシア?わたしも怖いな~」
「家の両親からしごかれた奴が何言ってんだ。さっさとしろよ」
「この扱いの差は何……」
「当然の扱いじゃないのか?」
「ひどいよ!!」
「ほら、もう終わってるぞ」
「あ、本当だ」
「さて、こいつらが終わったってことでパーティーメンバーに登録しといてくれる?」
「わかりました。でしたらこのSランク試験の挑戦を」
「あ、じゃあいいです。二度とここのギルドには来ません」
「そ、そんな~」
「ならさっさと登録してくんない?」
「わかりました………」
悪いな、シルフィアを俺と同ランクにしたら受けるから
「よし、次は武器屋に行くぞ」
「了解!!」
コクリ
よし、早速行くか
◇◇◇◇◇
どうも、メシアです
只今俺が見つけた武器屋に到着しました
俺もそろそろ新しい武器欲しかったんだよねー
「おー、最近話題のメシアじゃねーか!!何しにきたんだよ」
話かけてきたのは武器屋を営むドワーフと人間のハーフのオヤジだ
名前はガインド
鍛冶神に愛された申し子だ
これでも200歳
見た目40歳くらいなのにな………
「武器屋に武器買いに来ること以外なにがあるんだよ。あ、ついでに制作を依頼したい」
「ほうほう。武器はそこのお嬢ちゃん達でいいか?あと防具なんかもあるぞ?まぁ良くて中級だがな」
「あんたがつくったんならそんくらいで十分だ。中級のやつ見繕ってきてくれ。軽装備と普通のやつとローブ2つで頼む」
「任せろ!!」
10分位してガインドが戻ってきた
「これでどうだ?」
軽装備はレザーアーマーだ
熊型の魔物--鎧獣熊の鎧だ
軽いし防御力は中級だが添付魔法や素材の組み合わせを変えることで上級まで昇華させることのできる優れもの
まぁ、自分が着るものだ
素材は自分で集めて貰おう
あ、添付魔法ってのはそのままの意味だ
説明は省くぞ
他の二次創作と同じと思ってほしい
次に普通の装備だ
これは蟻型の魔物--鉄蟻だ
こいつは中級に近い初級だ
しかしこれを基礎に別の鎧に変化する
そしてローブは魔法障壁を自動的に張ってくれる優れもの
…………まぁ、初級がせいぜいらしいけどな
「とりあえず片刃の片手剣と籠手と一体化した円盾、あと弓矢一式と槍杖だ」
片手剣は刃渡り40㎝で縦の幅は25㎝だ
籠手は手首の所に盾がついてて普段は折りたたまれている
弓矢は中級の弓で弦を引き離すと同時ローラーが回り矢の飛ぶスピードが上がるという物だ
槍杖は槍と杖が一体化していて細く円錐状になっている
さすがガインドだ
どれも中級だったり上級手前だ
さて、俺の武器の作成依頼をだすか
「ありがとうな。制作依頼なんだが作ってほしいのは分離して双剣になるやつだ」
メシアの武器は両刃で双剣にもなる剣を予定しています
次回はセシルとシルフィアを連れて依頼をこなします