閑話 ユリスティアのある1日
閑話となります。
12/30 一部追加修正しました。
私には3つの秘密がある。
太陽がまだ昇らないうちに目が覚めた私は、軽装な皮鎧を着て日課の巡回を行うために、中庭に降りていく。
まだ、誰も起きていない。
私がこんなに早起き出来るのは、別段早く寝ていると言うわけではない。
ーー 私の秘密その1。
私がどうして毎日、夜遅く寝て、太陽が昇る前に起き出す様な睡眠で、体調を崩すことがないか。
それは夢見の世界が関係している。
幼い時から夢見の世界に入れた私は、体が眠っている間に夢見の世界で精神を鍛えている。
肉体のない夢見の世界は、考える力を速く的確にする事で、そこで動く体のスピードが驚異的に速くなっていける。
しかし、ただ単に速く思考するだけでは精神に障害が発生してしまう。
その障害は私が幼い時に経験した。
幼さが原因で発生した精神障害だったが、幼いために回復も出来た。
その経験で分かった事は、その速さに耐えうる精神力が必要となる事だった。
しかし、その精神力の鍛錬もこの世界で行うのに都合がいい。
そして鍛錬で剣の技を磨くのに、とても優れた世界だ。
だけど、夢見の世界はそれだけでは無い。
夢見の世界で少し寝るだけで、体の疲れが驚くほど回復することを、これも幼い時に見つけた私は、いつも夢見の世界で少し仮眠をとるようにしている。
疲れた時にそれを行うと、瞬く間に体が回復してくれる。
本砦の中庭で体をほぐす準備運動を行って、私は門番に挨拶をして走り出す。
まずはユンデ砦に向かう。
暗い夜道は足場が不安定だけど、いい訓練になる。
月も出ていない暗い夜道を、全速力で走るにはこつが必要になる。
目は余り信用できない状態では、他の感覚を総動員させる。
体を流れる風のながれ、左右の絶壁から反響してくる音の変化、足が地面を触れる瞬間に伝わってくる地面の変化、あと流れてくる匂いも。
それらを瞬時に感じて足の置き方、足の蹴り方、体のバランスを閃きで走り込む。
少しでも体の重心移動を頭で考えたり、不安な事を考えてはいけない。
考えた途端に体の反射神経が鈍って大事故になってしまう。
暗い夜道を走りながら風の風圧、音の反響から道の所々に大きな岩が落ちている事が分かった。
それを器用に除けながら、岩の位置だけを覚えておく。
昨日の夜に落石があったようだ。
今日は、これらの落石を排除する作業が必要になりそうね。
そんな事をチラッと考えながら走っていると、ユンデ砦の明かりが見え始める。
すぐに砦の裏門に到着した。
門番に挨拶して砦の様子を聞くと、特に問題は発生していなとのこと。
その報告を聞いて少し安心する。
私からはここまでに来る途中に、落石が3カ所あって道幅が狭くなっていることを報告する。
落石の処理は、本砦で行う事も言っておく。
そうして門番に挨拶をして、今度はメテ砦に向かって走り出す。
一度、道を戻って今度はメテ砦の谷の道を走り出す。
少し周りが明るくなり始めている。
若干、メテ砦の道は走りやすい。落石が少ないから道を整備してもその状態が続くから道も整っている。
すぐにメテ砦に着く。
ユンデ砦と同じように裏門の門番に挨拶をして、報告を聞くが、こちらも特に問題はないそうだ。
良かった。
私からも特になしと報告して今日の巡回は終了だ。
また走り出して、本砦に戻ってくる。
本砦の門番に挨拶をして中に入る。
「ユリスティア様、相変わらず足が速いですな」
門番の老人は、私が小さな時から門番をしてたガズさんと言う白髪と白い髭を蓄えた優しい老人だ。
「ガズさん、何度も言いますが、様は付けないで下さい。ユリスティアと呼び捨てでお願いします」
「そんな事、言えるかい。あんな小さなお嬢様が今は領主様だ。わしゃ嬉しいんだ」
「もう、それとこれとは別だって何度も言っているでしょう」
「そう言わんでくだされ。わしゃお嬢様をそう呼びたいんじゃ」
また、いつもの同じ遣り取りになりそうだったので、もう諦めてしまう。
「分かりました。それは諦めます。ガズさん、朝方は冷えますから無理をせずに暖かくして下さいね」
「分かっておるわい。なあに、まだまだ若いもんには負けんほどに鍛えておる。風邪などひかんよ」
ガスさんの元気な声に手を振って、私は中庭に入っていく。
中庭ではもう起きて仕事を始めようとしてるトリティとリタおばさんが話し合っている。
「おはよう。リタおばさん、トリティ」
「おお、おはようさん」
「おはようございます。ユリスティア様」
「何を話していたの?」
「何ね。そろそろ砦の皆のシーツをまとめて洗う日を決めようかと思ってね」
「ああ、もうそんな時期なのね」
ベッドのシーツは要求があれば、いつでも洗濯できるけど、年2回シーツの交換と同時にシーツの下に敷いている麦藁の交換を行っている。
それは夏の初めと、冬の初めに砦のみんなで行う一大行事だ。
「麦藁は集まりそうなの?」
「ああ、今年も何とか集めることが出来たよ。ユンデ砦とメテ砦の分も確保できたよ」
「それは助かるわ。リタおばさん、ありがとうございます」
「なあに、私も乾いたフカフカのベッドで寝たいからね」
「それでは、日にちが決まったら教えて下さい。私の方から砦の皆に報告しますから」
「分かったよ。報告の方はお願いするよ」
「はい、ではまた」
そう言って私はもう起きているだろうお祖母様の執務室に向かって走り出す。
2階に上がって聖樹の根元を通りかかると、ライナとリリアナが墓地の石碑を磨いていた。
相変わらず朝早くから熱心にお手伝いをしてくれているが、幼い体に負担が掛かっていないだろうかと心配になってしまう。
2人に声をかけてちゃんと寝ているのか聞いたら、可愛らしいお腹の音が聞こえた。
まだ、ちゃんと食事を摂っていないようで心配だ。
御神体の殻の欠片を食べて少し血行が良くなっているけど、食事をちゃんと摂らないと体に支障を来しかねない。
食堂に連れて行こうとしたけど、仕事があると言って動きそうにない。
仕方がない。
後で私の部屋に来てお茶を飲ませてあげよう。
あのお茶を飲むと体内の血行が促進されて、体に不足している物を自然と求める作用がある。
少し酷だけど、食事が不十分だと分かってもらわなくてはならないわね。
私はライナ達に後で部屋に来るように言って別れた。
そうして執務室に行き、お祖母様と巡回で見つけた落石の処理や、夏のシーツ交換が始まりそうなので、その対応方法を話し合ったりした。
お祖母様との打ち合わせが終わって、遅めの朝食を済ませると今日はライナ達が来るので早めに部屋に戻った。
ライナ達が来るまでに本でも読んでいようかと思ったが、いま私が強化したいことをする事にした。
ーー私の秘密その2。
私はまだ料理が美味くない。
私がいま強化したいこと、それが料理を美味しく作ること。
そう、「まだ」と付けておく。
それはどうしてかと端的に言うと、料理をする時間がないので腕が上がらないからと言い訳させてもらうわ。
それなので、時間を見つけては自分の部屋で食材が許す限り、料理を作ろうとしているが、流し台も、十分な食材もないので一向に腕が上達しないので困っている。
一つだけ出来た成果が、お茶を煎れることだ。
お祖母様もトシヤ達も美味いと言ってくれるし、ここに来る子供達も美味しいと言って飲んでくれる事は、とても嬉しい。
だけど、いつかは美味いと言われる料理を作って、レシピを増やしていきたい。
ライナ達が来る前に何を作ろうかと悩んでいたが、扉をノックする音がした。
あら、もうそんなに時間が経ってしまったのね。
急いで扉を開けるとライナ達が、白い脂身を持ったお皿を持って立っていた。
あれはどうしたのからしら。
そんな事を思いながらもライナ達を中に入れてローテーブルの周りに座らせる。
お料理を作ってあげようかと思ったけど、時間がなくて出来なかった。
今日は諦めるしかないわね。
そう思いながらお茶の用意をしていく。
だけど、どうして脂身を持ってきたのかしら?
何か困っているのかも知れないわね。聞いた方が良さそうね。
話しを聞くと料理長のダンさんからアカギレを治すためにもらったらしいけど、余ったら焼いて食べなさいって言われたらしい。
私はライナ達の手をよく見てみた。
確かにアカギレが酷い。
今まで私の注意不足でライナ達の痛みに気が付かなかった。
そんな事にも気が付かないなんて、領主様なんて言われているけど、まだまだ私は未熟ね。
ごめんなさい。ライナ、トリティ、リリアナ。
そうだわ、私が持っている聖樹の雫があったわね。
これをこの子達に使いましょう。
こんなに痛そうなんだもの、よく我慢していたわね。
雫をかけると見る間に手は綺麗になっていく。
夏でも水場仕事をする人には、聖樹の雫を利用するようにお祖母様に提案した方が良いわね。
もしかしたらお祖母様に今頃分かったのかと、叱られるかも知れないけど、それは仕方がないわね。
アカギレは治ったから少しホッとしたけど、この脂身はどうしようかしら。
そうだ!ルナ医師がコレクションしているスパイスとお塩を、焼いた脂身にかけるととても美味しそうね。
ちょっとお茶を飲んだ後に、ライナ達を連れて行きましょう。
私が煎れたお茶をライナ達は美味しいって喜んで飲んでくれている。
お茶を褒めてくれるのは嬉しいけど、やはり、料理でも褒めて欲しいわね。
頑張って美味しい料理を作りたいわね。
悔しいけど、ライナ達の笑顔を見られるのなら今度ダンさんに聞いてみようかしら。
お茶を飲み終わった私たちは、脂身を持ってルナ医師の医務室へ向かう。
途中で子供達が加わったけど、結構な量の脂身があるから大丈夫ね。
ルナ医師の医務室について、ルナ医師に秘蔵のスパイスとお塩を少し頂けないか交渉をしてみた。
ルナ医師は渋っていたけど、今後御神体を1体調査させて上げると言うと折れてくれた。
スパイスはこの国では結構高価な食材だし、塩もそこそこ高い値段であるけど、今日は子供達のためにルナ医師がある程度提供してくれた。
御神体だけじゃ悪いわね。今度何か珍しい食材を持ってこようかしら。
脂身を火で焼いて、スパイスと塩だけの簡単料理だったけれど、その匂いは焼き肉と同じに美味そうな香りがする。
子供達とスパイスと塩を提供してくれたルナ医師にもお裾分けすると、ルナ医師はとろけたような表情をしていた。
ちょっと機嫌が直ったようでホッとする。
私も余り物の脂身にスパイスと塩を少しかけて食べさせてもらったけど、本当に美味しかった。
これはダンさんに御礼を言っておく必要がありそうね。
ライナ、トリティ、リリアナは、お腹いっぱいに食べているみたいで良かった。
少しでもこうして食べる機会があれば、栄養失調になる事もなさそうね。
そうして食事も終わって解散となり、私はお祖母様の執務室に戻ってきた。
暫くお祖母様と食料不足の問題や魔獣の襲撃の防御策を話し合っていると、シラブル達が執務室に駆け込んできた。
ユンデ砦に『蒼の狼』が現れたそうだ。
それを聞いた私たちは、蒼の狼の襲撃にそれほど驚かなかった。
ユンデ砦のガトラなら上手く処理してくれるだろう。
シラブルに『蒼の狼』の対処はガトラに任せると念話で伝達してもらった。
しかし、お昼頃になると『炎の熊』が現れたとユンデ砦から報告が上がってきた。
炎の熊が複数現れたとなると事態は深刻になる。
すぐに非番のエディとフローラを動かして、支援部隊を集めてユンデ砦に行って貰う事にした。
支援部隊の準備完了の知らせを待っていると、エディと一緒にトシヤ達も部屋に入ってきたが、御神体の姿が以前に見た姿と違って驚いてしまった。
だけど、エディが報告してきたのですぐに出発の命令をだして、支援部隊を出発させた。
これで初動対策は出来たと思っていたところに、トシヤ達もユンデ砦で援護を行いたいと言ってきたのには驚いてしまった。
まだ、トシヤ達が砦の地形も戦略も分からない段階で、援護を行うと言われてもどの様に配置をして良いか、私には分からない。
困っているとお祖母様が提案して、私も一緒にユンデ砦に行くことで何とか話しがまとまった。
トシヤ達は初めての戦闘で本当に援護が出来るんだろうか?
何かあったら私が盾となってトシヤ達を守るしかない。
その覚悟で私とトシヤ達は本砦を出てユンデ砦に着いた。
私の走りに友美はしっかり付いて来ることが出来て、ちょっと驚いた。
私の走りに付いてこれる砦の兵士は、今まで誰もいなかったのに、友美とトシヤがしっかりついてきた。
これなら夢見での訓練も本気を出しても問題なさそうね。
ユンデ砦に着いた私たちは、戦況を聞いて何が出来るか考えようとするが、ガトラは勝手に戦場に行ってしまった。
もう、ガトラは筋肉バカなんだから。どうしてあんなに綺麗な奥さんがガトラを好きになったんだろう。
恋愛って不思議だ。
戦闘中に不謹慎にもそんな事を考えていた時、直人が白い板を数枚戦場に投げて行くのを見かけた。
何をしているんだろうと思っていると、突然トシヤが持っている木が光ったと思った瞬間に、戦場の魔獣達が倒されてしまった。
唖然としていると、今度は友美が木の棒を投げて遠くに飛んでいた黒い鳥を刺し貫いたと思ったら、激しい爆発が起きた。
もう何が起こったか分からないうちに、全てが終わっていた。
ただ、トシヤ達が魔獣達を倒してくれたと分かって、感謝の気持ちを表そうと跪いたら、友美に立たされてしまった。
そしてガトラが戻ってきて、トシヤ達を羽交い締めのような抱擁を阻止したら、トシヤが魔核を食べたと言って驚かされた。
しかし、砦を救ってくれたトシヤ達に、私たちが出来る事は何でもしたい。
砦にあった魔核を全て持ってくると10分程で吸収してしまったことにも驚かされてしまった。
トシヤ達が吸収した魔核は、魔法として解放すれば砦なんて簡単に消すことも出来る魔力が封印されていた物だ。
それをいとも簡単に体内に取り込んでしまった。
その頃からモーラが、直人にベッタリと密着するように世話を行い始めた。
どうしたんだろうかと思ったが、モーラの雰囲気を見ると直人に惚れ込んでいるようにも見える。
普段は色っぽいモーラだけど、浮いた話しもなかったのに急にどうしたのか不思議だ。
やっぱり恋愛って不思議な事ばかりだ。
それから戦場に残っていた白い板を魔獣除けにしてくれたことは、感謝を通り越してトシヤに抱きつきそうになってしまった。
思い返しても顔から火が出そうになってしまう。
だけど本当に嬉しかった。これで連日の襲撃が減るかも知れないのは嬉しいことだ。
本砦の帰り道には、以前から大量にいた毒を持った魚を、フタバ様のお力で食べる事が出来ると聞いて、もうトシヤを抱き締めたい気持ちを抑えるのに苦労をしてしまった。
何だかトシヤの御神体が輝いて見える。
どうしたんだろうか、切ない様なドキドキが収まらない。
気のせいよね。そう、気のせい、気のせい。
そうして本砦に帰ってお祖母様に、戦況報告と川の魚が食べられる事を報告した。
すぐにトシヤ達が元の世界に戻ってしまうと言うことで、その前に残りの御神体も聖樹の穴に沈めて修復したいと言われて、急いで残りの御神体を穴に沈めて、感謝の気持ちを込めて友美にさよならを言った。
ただ、どうしてかトシヤの御神体を見るのが恥ずかしかった。
友美達が聖樹の穴に沈んで暫く見届けた後、私は聖樹を降りて子供達に川の魚が食べられるようになると、話しをしておいた。
子供達は喜んでくれたようで嬉しかった。
今日の午後は大事になりそうだったが、トシヤ達の働きで無事解決できた。
後片付けが終われば、今日は特に急ぎの用事はなくなったので、料理長のダンさんに私が強化したい料理の作り方を聞こうと思ったが、兵士の皆が食堂に集まって宴会状態になっている。
それだけ負傷者も殆ど出ずに戦いが終わって皆も嬉しいのだろう。
まだ、食料制限もあると思うけど、今日はなるべく不自由がないように皆が食べられる様に料理長に言っておこう。
私は自室に戻って、読みたかった料理本を夕方の食事までユッタリと寛いで読んでしまった。
夕食を食べた後お風呂に入って、今日は早めにベッドに入った。
そして夢見の世界に入り込んだ。
ーー私の秘密その3。
私は甘い物が大好き。
夢見に世界に入った私は、いつもならそのまま鍛錬を行うが、今日は気分がいいのでちょっとやりたいことをしようと行動を起こす。
まずはトシヤ達がいつも入ってくる神殿に向かって走り出す。
走りながらも周りを注意している。
いつ黒豹が現れるか分からない。
鎧は着ていないが帯剣をしていから、黒豹に負けることはないが、奇襲されるとひとたまりもない。
一度負けてしまうとなかなか、この世界に入ることが難しくなってしまう。
お祖母様の言うことだと、心を折られると二度とこの夢見の世界に入ることが出来なくなってしまうそうだ。
注意しながら何とか神殿に着いた。
夢見の世界がどうして存在するのかも不思議だけれども、この神殿やあの中央に位置する巨大な樹も不思議だ。
昔は、アリアと一緒にあの巨大な樹に向かって冒険をしたが、道半ばでどうしても目が覚めて結局行き着けなかった。
いつかあの巨大な樹の元に行ってみたいものだわ。
気を取り直して、私は神殿の裏手に回って木の洞に入っていく。
薄暗い通路を降りていくと夜空の星のように光る光苔の部屋に入る。
私のお目当てがそこにあった。
私は誰もいないのに、周りを見てしまう。
別に悪いことをしようって訳じゃないけど、恥ずかしいから見られたくない心理が働いてしまう。
誰もいないことを確認して6つある木のベッドの1つに近づく。
そしてゆっくりとベッドの液体を指で掬ってペロリと舐める。
ミントの味がスーと口の中に広がる。
そう、私の夢見での密かな楽しみは、この味を楽しむことだ。
現実世界でもミントはあるが、殆ど手に入らない高級な食材で蜂蜜の次に好きな食べ物だ。
ミントが食べ物というのもおかしいのかも知れないけど、この清涼感が私はとても好きで、気分がいい時には、こうして時々味見をしに来ている。
トシヤ達には内緒だけど、トシヤ達を連れてきた時には我慢できずに少し舐めてしまった。
それを隠すようにトシヤ達にも舐めてもらった。
ごめんね。トシヤ、友美、直人。
だけど砦で甘味物は贅沢品で、なかなか砦に甘い物が入ってこない。
そんな状態なので、御神体の殻の欠片を舐めた時、本当に甘くて驚いてしまった。
ああ、トリティにもらった欠片は甘くて美味しかった。
甘い物をいっぱい食べてみたいわ。
暫く甘い物に思を巡らせていたけど、すぐに正気に戻った。
さてっと、戻って鍛錬を行いましょう。
しかし、チラッとベッドの液体を見て、はしたないと思いつつももう一度指で掬って、その指をペロッとなめてから出口に向かって歩き出す。
ここまでお読み頂誠に有り難うございます。




