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二十





しん、と静まり返った暗闇の中で暫し時が経つ。


きゃんっ! きゃんきゃうんっ!!


かなり離れたところから仔犬の鳴き声がする。

この鳴き方は、何か困って辛いことがあった時の仔犬の声であった。



「おねがい……!」


そして、自分の口からその名が叫ばれた。

もうその時にはサクラは極限状態にまで追い詰められていたのであった。


*


(……っ!!)


音がするような勢いでサクラは飛び起きた。いつの間に眠ってしまっていたのか、いやそれどころではない。


(ちゃーと離れてしまう夢なんて、今まで見たこと無かった。夢の続き、なの……?)


いつも仔犬を抱えて逃げるところで悪夢は終わっていた。永遠と大人たちに追いかけられる夢、それが悪夢だったのだ。心の蔵が激しく警鐘を鳴らしている。これ以上先にはサクラが見たくないものが必ずあると感覚的に理解していた。


(この後に、何が……? 死んでしまった仔犬を甦らせた以上の、何かを、あの後わたしが、したの……??)


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