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十六


「ふん、何もないじゃないか」


(だから、そう言ったじゃない)


心の中でボウに対する反発を抱えながらも、サクラは黙っていた。経験上、なるべく多くを喋らないことが自分を守ることに繋がると知っていたからだ。


「お前さあ、元いた村で大変なことしたんだろ?父上もよくお前みたいなやつを働かせておくよな」


井戸の淵に座り込みながらボウが意地悪そうに言う。先ほどの草むしりの一件で、ボウはサクラが何も知らない無知なやつだと決めつけたらしい。

そして、これまでまともに話したこともなかったのに打って変わり饒舌にサクラへ話しかけてきた。


「お前が井戸にやばいことするんじゃないかって父上はひやひやしているんだよ。今回の龍王様の崩御のこと以上に大変なことなんて絶対ないと俺は思うけどね。お前なんかに俺たちを困らせるような何かをされて堪るかってんだ」


従順なサクラの態度に普段から尊大な態度で接しているボウだが、言葉の端々からそれが今日過剰なくらいに強化されたことが分かる。一応、サクラは雇い主であるアサ家族に対しての弁明も兼ねて口を開いた。


「わたし、井戸に何もしないよ」


サクラが喋るとは思わなかったのか、ボウは一瞬目を大きく開いたがすぐにニヤニヤとした気分の悪い笑みを浮かべた。


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