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十五


(龍王様が水脈を司るなら、次の龍王様が現れないとこの井戸も干からびてしまうのかな)


いつも必ずあったものが無くなる、その想像のつかない不安からサクラは井戸の底をゆっくり覗いた。太陽の光を反射して薄暗い闇の中で水が白く光っている。


「井戸の底がどうかしたのか」


ふいに背後から声を掛けられサクラはゆっくり後ろを向いた。アサの姿がそこにある。最近、井戸の周りでサクラが何かをしていると必ずと言っていいほどアサが現れることにサクラはもう慣れてしまっていた。


「いえ、なんでもありません」


サクラはそう答えたが、アサは眉をひそめて念の為といった体で井戸の底を見やった。


「もし井戸に何か変なことがあったら直ぐ言うんだぞ」


アサはそういうと家の中へ戻っていく。入れ替わりで家の中からボウが顔を出した。どうやらアサとサクラが話していたのを遠くから窺っていたようである。


「お前、井戸に何かしたのか?」


近づいてきたボウがいきなりサクラを尋問するような声色で声をかけてきた。サクラは首を左右にゆっくり振りながら、このアサの三男坊の挙動を見守った。アサと同じくボウもまた井戸の底を覗き、何も変わりがないことを確認してから再びサクラの方を向いた。


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