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「どうしたの? なんで吠えているの?」


少女が母犬に訪ねても吠え声は止まない。


――おい、あれは、病気で死んだ仔犬じゃねえか?


――何故生きている、生きたまま葬ったのか。


――いや、しっかと息の根が止まるところを確認したぞ。だから皆で土掘って埋めたじゃねえか。


じゃあ、何故、と大人たちのひそひそ声が少女の耳に届く。少女はわけもわからず、仔犬を抱きしめながら首を振った。いつもは穏やかで優しいはずの母犬が未だに少女と仔犬に向かって唸っていることも少女を怯えさせ、仔犬を見ようと近づく大人たちにもいやいやと抵抗した。


「やだ! ちゃーを取らないで!!」


しかし、少女の抵抗も虚しく、仔犬は大人たちの手により、いとも簡単に取り上げられる。


「おい、この仔犬、しんの音が聞こえねえぞ!」


「体温も氷のようだし、心臓も動いてない、なのに生きてるように動くぞ! 気持ち悪い!!」


「悪霊の仕業だ! 死体が動くのは祟りだ!!」


大人たちの手の上で代わる代わる移動させられていた仔犬は完全に怯え、尻尾を股の間に挟み耳を伏せて震えていた。少女は愛犬の怯えを察し、仔犬を持つ男の一人に体当たりをする。


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