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ハロウィンナイト  作者: 北斗
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迷い込む

10月31日の午後6時過ぎ

暗い夜道をランタン片手に歩く少女が一人。

大通りの喧騒が嘘のような静かな道を少女は迷わず進んでいく。

少女の名前はシャーロット。この町では有名な富豪の娘だ。

少し暗めの金髪に緑の瞳、ボブカットで大きなリボンしており

見るからにお嬢様の見た目をしている。

そんなお嬢様と呼べる少女が何故このような道を一人であるいているのか

少女には歩かなければならない理由があった。


去年のことである

少女の唯一の友人であるアマンダがハロウィンの夜から行方不明になったのだ

初めは警察も必死に探していたが、さすがに警察も去年のことなど操作し続けるわけもなく失踪から数か月たって操作は打ち切られた。


しかし、少女がそれで満足できるわけもなく警察が動かないなら自分で探そうと決め、今まさに友人が消えたところへ向かっているのだ。


だが歩けど歩けどすれ違うのはネズミやコウモリだけで肝心の友人は見つからない。

あたりを見ながら進んでも暗闇ばかり。

結局少女は手がかりをつかめず友人が失踪した場所についてしまった。ここで手がかりの一つでも見つけないと悲しみの中家に帰って親に怒られることになってしまう


そんな精神的ダメージばかりは負いたくない

彼女は焦りながら必死に手がかりを探す。地面に置いたランタンがゆらゆらとあたりを照らす。

すると彼女は建物の中におかしなものを見つけた。

正確に言えば家の壁の中である。



ランタンを持ちゆっくりとそこに光を当てるとレンガとレンガの間にリボンが挟まっているのを見つけた。


「あ...」


そのリボンに彼女は見覚えがあった。


「アマンダのリボンだ...!」


レンガに挟まっていたのはアマンダとお揃いで買ったリボンであった

始めて友達になった記念にとアマンダと一緒に出かけた時に買ったのだ

しかし不思議である。何故アマンダのリボンがレンガに挟まっているのか...

少女は小さな頭で必死に考えたが答えが出ることはない

そんな時、少女の後ろからかすかなすすり泣く声が聞こえてきた


「誰...?」


少女の問いかけには答えずすすり泣く声は続いている


「もしかしてアマンダ?アマンダなの?」


少女はやまないすすり泣く声に怖がるが少女の友人の声だと信じて声の方に進んでいく


少し歩くと路地の隅っこでうずくまる影を見つけた。ランタンで影を照らしてみるとそこにいたのは少女と同じ年齢くらいの少女が肩を震わせていた


「アマンダ?アマンダだよね?」


少女が聞くとうずくまっている子が間を空けて頷く


「良かった!ずっと探していたの…アマンダ、ハロウィンの夜からいなくなったでしょ?私心配してて…」


「それは何に心配してたの…?」


「え?」


うずくまっていたアマンダがゆらりと立ち上がり少女の方に向く。

二つにまとめてあった長い黒髪は解けてボサボサになっておりまるで別人のようだった


「ふふふ…心配?心配だって、思ってもないくせに?ふふふふふ…おかしいわ〜笑っちゃう」


「アマンダ…どうしたの?」


「だって、シャーロットが面白い事言うんだもの。おかしくて笑ってるだけよ?」


アマンダは泣いているのではなくずっと笑っていたのだと少女はこの時やっと気付いた。


「でも心配してくれてたのか〜そっかそっか。じゃあ証明して貰おうかな〜本当にアタシの事を心配してくれたのか」


「……私は何をしたらいいの?」


ニヤリとアマンダが笑う。


「……え?」



すると少女の下に大きな穴が現れた

少女はどうすれば良いのか、何故穴が急に現れたのか考える間もなく穴に落ちていく。


そんな少女でも分かることはあった。この穴を出したのはきっとアマンダだという事



「いってらっしゃ〜い」


いつもの日常を思い出す有り触れた言葉も時と場合によっては狂気すら感じると少女は思った






「……助けてよ」







上の方でアマンダが小さな声で呟くが少女の悲鳴でかき消されてしまった。

結局少女は何もわからないまま下へと落ちていく。


こうして少女は不思議な夜に身を投じるのであった。


初めまして!初投稿なので至らぬ点も多いと思いますが少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです!

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