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非戦闘職として学園を追放された俺、冒険者ギルドでは危険回避の前提になっていました 〜戦わない戦術補佐は、勝たないことで評価される〜  作者: 蒼月アルト


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第54話 残らない功績

 森は、静かだった。


 斥候の報告は簡潔だ。


「大規模な流れは確認できません」

「散発的な個体のみ」


 街は、持ちこたえた。


 完全勝利ではない。

 無傷でもない。


 だが、壊れていない。


 広場に、人が集まる。


 参事が前に立つ。


「今回の一連の件」

「多くの判断がありました」


 誰も英雄の名を挙げない。


「成功も、失敗もありました」

「それでも、街は残りました」


 拍手は起きない。

 代わりに、静かな頷きが広がる。


 参事がこちらを見る。


「感謝を」


 形式的な言葉ではない。


「あなたがいなければ」

「初動は遅れていたでしょう」


 俺は首を横に振る。


「最初に動いたのは、あなた方です」


「材料を並べたのは、あなたです」


「決めたのは、街です」


 参事は、小さく笑う。


「……功績は、残りませんね」


「残す必要はありません」


 それが、ここでの役割だった。


 騎士団長が歩み寄る。


「戦えば守れた、とまだ思っている」


「守れたでしょう」


 否定しない。


「だが」

 団長は続ける。

「守り続けられたかは、分からない」


「ええ」


 団長は、ゆっくり頷いた。


 夜。


 参事が最後に言う。


「国家からの補助は、ありませんでした」


「承知しています」


「それでも」

 彼女は空を見上げる。

「街は残りました」


 それで十分だ。


「あなたがいなくても」

 参事は、静かに続ける。

「続けます」


 それが、最大の評価だった。


 俺は礼を言わない。


 必要がないからだ。


 森は静まり、

 街には日常が戻り始めている。


 俺の役割も、終わりに近い。


 功績は残らない。


 だが、

 **判断は残った。**

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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