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非戦闘職として学園を追放された俺、冒険者ギルドでは危険回避の前提になっていました 〜戦わない戦術補佐は、勝たないことで評価される〜  作者: 蒼月アルト


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第45話 選んだ街

 自治都市リーヴァは、地図の端にある。


 交易路から外れ、

 国家の補助も、ほとんど届かない。


 それでも、

 人が暮らしている街だ。


「……本当に、来てくれるとは」


 門前で迎えたのは、街の代表だった。


 年配の女性。

 肩書きは、市参事。


「条件は、書いた通りです」

「補助も、保証もありません」


「承知しています」


 それ以上、確認は要らない。


 彼女は、少しだけ表情を緩めた。


「国からは」

「“勧められない”と言われました」


「でしょうね」


 否定はしない。


「それでも」

 彼女は、まっすぐに言った。

「判断を、借りたいと思いました」


 借りる。


 その言い方が、印象に残った。


 街を案内されながら、状況を聞く。


「魔物の数は、多くありません」

「ただ……動きが、読めない」


 被害は、小さい。

 だが、

 不安が積み重なっている。


「迎撃を?」


「それも、考えました」

 参事は、首を振る。

「でも、前例を聞きました」

「避難で、守った街の話を」


 噂は、静かに広がっている。


「……だから」

「戦わない選択も、あるのではと」


 その問いは、慎重だった。


「あります」


 即答だった。


「ただし」

 続ける。

「準備は、必要です」


「構いません」


 彼女は、迷わなかった。


「結果は」

「すべて、街が引き受けます」


 責任を、投げてこない。


 それだけで、十分だった。


 夜。


 簡素な宿で、地図を広げる。


 国家の監督官はいない。

 報告義務もない。


 だが、

 逃げ場もない。


(……これでいい)


 ここでは、

 判断は、完全に自分のものだ。


 守れなければ、

 言い訳はできない。


 だが、

 守れれば。


 それは、

 制度の外でも、

 価値が成立する証明になる。


 翌朝。


 街の人々が、遠巻きにこちらを見ている。


 期待でも、信頼でもない。


 ただ――

 選んだ責任を、感じている目だ。


 参事が、静かに言った。


「無理だと思えば」

「いつでも、引いてください」


「引きません」


 即答だった。


「判断が必要な限り」

「ここにいます」


 それだけで、十分だった。


 この街は、

 国家に選ばれなかった。


 だが、

 自分で選んだ。


 その事実が、

 これからのすべてを決める。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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