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君の闇、光へと通ず ~現代異能探偵青春譚~  作者: A08_Studio
【第二章】父と娘

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【第043話】胸騒ぎ


「......これは?」


かおりの前のテーブルには透明な袋に封入された紫と白のカプセルが置かれている。


「昨今、巷で出回っているドラッグだ」


彼女は大きくため息をつく。


「これをどうしろと?」


哲也の視線が鋭くなる。


「解析を頼みたい。それも、秘密裏に」


かおりは腕を組む。


「それは構わないけど、理院はどうしたの? あっちには専門家がいるでしょ?」


「それはそうなんだが......」


哲也はしばしの沈黙の後、意を決するように口を開いた。


「姉さんの言うように、これも理院に出していた。身内を疑いたくはないが、全く想定外の結果が返ってきたんだ」


「想定外?」


彼は静かにうなずく。


「ただのサプリメントだというんだ」


かおりは顎に手を当てる。


「サプリメント? そもそも、このカプセルで被害が出ていることは確かなの?」


「......被害者たちから、このカプセルの成分が検出されている。関わりがあるのは間違いない。被害の元凶かは断定できてないが」


かおりは深く息を吐く。


「つまり、それも含めてはっきりさせたいと?」


「そうだ」


彼女は考え込み、哲也はその様子を見守っている。


「ちなみに、どんな症状が出ているの?」


「表面的には一般的な麻薬に似た症状が出ている。ただ、それ以外に異能を活性化する作用があるようなんだ」


かおりは顔を歪ませる。


「どうかしたのか?」


「いや、“また”かと思っただけ」


「また?」


哲也が怪訝そうに見つめると、彼女は目を見開く。


「ゆかりの方の事件の話は聞いてないの?」


「詳しくは......こっちの事件は所轄主導で異能対の方には顔を出してないからな」


かおりは目つきを鋭くし、組んだ腕の指を叩く。


「一度、双方で情報交換をすることを勧めるわ。それも、可及的速やかに」


「関係があるってことか?」


「ええ、こんな似たような事象が同時に起こるとは考えづらい。断言はできないけど、知っておいて損はないはずよ」


哲也は腕を組んで、考え込む。


「分かった。来栖さんに進言する」


かおりは深くうなずくと立ち上がる。


「解析は進めとくから、サンプルを十個ほどよこして。可能ならば、押収時期と場所がバラバラなものをね」


「了解だ。すぐに確保する」


彼女は窓際に立ち、雨に濡れる通りへ目を落とす。


「どうも嫌な予感がする。あなたも気を引き締めなさい」


哲也も立ち上がる。


「言われるまでもない。警部殿も何かを感じてるみたいだからな」


強さを増す雨の音が静かな室内に染みわたる。

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