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君の闇、光へと通ず ~現代異能探偵青春譚~  作者: A08_Studio
【第一章】少年と少女

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【第019話】大人の女?

「鷲尾さん」


「なんだ?」


「まったくできる気がしないんですが......」


「何言ってんだよ、世間話の体で話しかけるだけじゃねーか」


ゆかりは信じられないと言わんばかりに突き返す。

真也は眉間にしわを寄せている。


「男だろ? 今更、ゴチャゴチャ言ってんじゃねーよ。上手くいったら、お姉さんとの魅惑時間が待ってんだぞ」


そう言いながら、左手で真也の頬を撫でようとしたが、真也はそっぽを向く。


「あのですね、俺は人に話しかけるのが――」


「だー、男のクセにナヨナヨしてんじゃねーよ。そんなのほっときゃいいんだよ」


真也の背中に張り手をくらわしながら、ゆかりは恫喝した。


「ゆかり、それに関しては同感だけど、真也一人に任すのは得策じゃないと思うわ」


様子を見守っていたかおりが口をはさむ。

真也は口を尖らせて、かおりを見つめている。


「じゃあ、どーすんだよ? 異能が分かってるヤツじゃないと頼めないだろ? しかも、同じ高校でだ」


ゆかりは、かおりの方を向き、投げやりに言葉を飛ばす。


「それなんだけど、結月ちゃんにも頼んでみない?」


「えっ!?」


真也は驚き、ゆかりは顔をしかめた。


「あぁ~、そりゃあ頼めるもんなら、頼みたいけどさ......姉御も知ってんだろ?」


ゆかりの語気が一気に弱くなる。

かおりも腕を組み、天井を見つめた。


「だろ? あたしにはできない」


「やっぱりダメよねぇ。ゴメン、忘れてちょうだい」


かおりはあっさりと意見を取り下げた。


「母さん、そもそも、なんで来栖なの??」


真也はおそるおそる質問した。

かおりは、一瞬、ハッとした表情を浮かべたが、すぐに表情を引き締める。


「う~ん、何となくかな? あなたより、上手くやりそうな気がしたのよね」


「......」


真也は、険しい表情で組んだ指をピクつかせている。


「とにかく、今はこいつに賭けるしかない。お前も腹くくって、男見せろよ!」


ゆかりは、再度、真也の方を向くと、一際盛大な張り手を背中に叩き込んだ。


「......頑張ります」


真也は絞り出すように宣誓する。


「よし!」


真也の宣誓を確認すると、ゆかりは勢いよく立ち上がった。

そして、何かを思い出したのか、ポケットからスマホを取り出した。


「そうだ、連絡先!」


「これでいいですか?」


真也もスマホを取り出し、画面をゆかりへ差し出す。


「ああ、オーケー、登録した」


ゆかりは、真也の耳元へ顔を近づけ、小声で何かをささやいた。

真也は赤面して後ずさる。


ゆかりは、してやったりという表情を浮かべている。


「あんまり、うちの子に変なこと、吹き込まないでよね」


かおりはあきれ顔でたしなめる。


「やだな~姉御、大人の女を教えてやろうってだけだろ」


ゆかりは、真也の顔をグッと抱きよせ、胸に押し当てる。


「はぁ、それが問題だと言ってるの......だけど、あなたにかかれば、この子の人間嫌いも治るかもしれないわね」


「そうだろ、そうだろ! こいつはいじめがいがありそうだしな!」


ゆかりの腕に更に力が入る。


「んー!」


真也は引きはがそうと必死に抵抗している。

かおりは大きくため息を吐いた。


「それと、ゆかり。協力させるんだったら、もう少し説明しといた方がいいんじゃない?」


彼女はゆかりを指指しながら口調を強めた。


「いっけね、忘れてた」


ゆかりの腕の力が一気に緩む。

真也も空かさず、ゆかりから距離を取る。


「はぁ......、はぁ......」


「大人の女なら、その辺りも抜け目なくなさい」


「う~ん、姉御は痛いとこ突くなぁ」


ゆかりは渋い表情を浮かべていたが、ニヤッと笑うと真也の頬へと手を伸ばす。


「じゃあ、この続きは二人っきりで――いでで!!」


かおりが、ゆかりの耳を引っ張って静止する。


「ほら、真面目にやる」


「分かった! 分かったから!」


かおりが手を離すと、ゆかりは床へとへたり込んだ。


「いでで......姉御のは昔から痛えんだよぉ......うぅ、気を取り直して、確認するかぁ」


ゆかりは、意気消沈の様子で、耳をさすりながらバックへ手を伸ばす。

真也は冷めた目でかおりとゆかりを見つめている。


「えっとだな、名前は......」


ゆかりはタブレットを取り出すと、いきなり始めだす。

真也も慌ててノートを取り出し、新たなページを開くのだった。

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