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【第6話】氷の盾と、壊れかけた約束(ミリア視点)

6話、ミリア視点追加しました。

▼戦力ステータス:ミリア=ヴァルレイン(現状)

【総合戦力値】60

【身体能力】13 【魔力適性】18

【知識・応用】11


あたしはいつだって前にいる。

守るべきものがある時は、なおさらだ。


ユウトが倒れたとき、胸の中がぎゅっと

縮んだ。布を額へ押し当てながら言った。


「……しっかりしろよ、あんた」


声はそっけない。だが心は動揺してた。

普段は見えない、女の情けみたいなもんだ。


彼の素性はよく分からない。だが何かが

あたしの中で変わった。守る義務が芽生えた。


一族の教えでも、詠唱だけで人を守る術を

磨いたわけじゃない。だが詠唱で守る道を選んだ。


ユウトは、荷物を抱え、俯きがちだ。呼ぶと

少しだけ顔を上げる。そんな仕草で守りたく

なるのが女ってもんなんだろうか。


だが守ることは簡単じゃない。破片一つで

人は疑い、噂は薪の火のように広がる。


今回の毒瓶で、あたしは怒りを覚えた。

あんたを傷つける奴らは許さない。


だから、儀式では触媒になった。胸を貸し、

掌の熱を流し、彼に伝えるつもりだった。


「頼むから、死なないで」


詠唱の間、あたしは心の中で何度も祈った。

光が弾けたとき、胸に何かが流れた気がした。


見知らぬ映像がちらりと見える。教室の影、

冷たい雨、焼けた街角。ユウトは何かを抱えて

いる。それが何か、まだ言葉にできない。


儀式の後、外にざわめきが起きた。赤外套の影。

見張りをしていた者が声を震わせる。


「見張りが、立ってる」


森の縁に人影。焚き火に一瞬だけ光る外套。

奴らは見物人じゃない。塔が動いたことを嗅ぎ

つけた。許せる理由などない。


夜、焚き火であんたを見つめながら、あたしは

約束をした。口に出さなくてもいい、それだけで。


(あたしは、あんたを守る)


でも、心配もある。ユウトの中に眠るものを

理解できるかは分からない。だが一つ分かる。


「共鳴」だって、リリィが言ってた。人と人が

繋がることが鍵になる——あたしの仕事はそこ。


繋いで、守る。あたしはそうする。誰が何を

言おうと、あたしは前に立つ女だ。


そして、森の奥で外套の影は動く。あたしは

それを胸に刻んで、眠りについた。

100PVを突破してくれて、

本当にありがとうございます。

小さな数字かもしれませんが、

私には夜明け前の光のようで、

書き続ける勇気をくれました。


ユウトとミリアの物語が、

あなたの心に少しでも届いて

いたなら、作家としてこの上

ない喜びです。感想はいつも

大切な宝物として拝読します。


「ここが好き」「こうしてほし

い」など一言でも構いません。

お気に入りやコメントで教えて

いただけると、とても嬉しいで

すし更新の力になります。


今後は週2〜3話を目標に、丁寧に

伏線を紡ぎつつ更新していきます。

応援していただければ、白夜は更

に頑張れます。本当にありがとう。


白夜ユエ




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