【第4話】毒瓶発覚と、揺れる事情
▼戦力ステータス:神代ユウト(現状)
【職業】荷運び者(※偽装中)
【総合戦力値】42 → 54(今回上昇)
【身体能力】12 → 14 【魔力適性】7 → 8
【知識・応用】10 → 12 【潜在覚醒値】999
翌朝、村の広場に人々が集められた。
ギルド長の顔は固く、空気が張り詰める。
「昨夜、ユウト殿の荷物より毒瓶が発見
された。真相究明に協力せよ」
ミリアは俺の手をぎゅっと握る。震えている。
「あたしはアンタを信じてる。だけど……」
「真実は明らかにするべきだ」
カルドの声は静かだが、重い。
調査はまず宿屋裏の足跡から始まった。草の
踏み方が不自然で、小さな革靴の跡が続く。
跡は村の倉庫へと通じていた。扉の隙間に音。
忍び込むと、そこにいたのはティーニアだ。
彼女は机の上に薬瓶を並べ、俯いている。
破片と同じ形の瓶が、しっかりと置かれていた。
「す、すみません……。師匠の資料を取り戻
すために集めていたのです。間違いでした」
その言葉に、村人の表情は揺れた。怒りと同情。
事情は分かるが、命を弄んだ事実は消えない。
フィノが静かに言う。
「償いの機会を与えるべきだと思います」
ラーナは唇を噛み、カルドは首を振る。判断は難しい。
だが、空気は明らかに変化していた。
「俺は……俺の潔白を証明したい」
心からの言葉が、自然に出る。だが誰も即座に
信じ返してはくれない。
夜、宿屋に戻ると、見知らぬ視線が突き刺さる。
誰かが囁くように言った。
「荷物検査は当然だろ。命に関わる話だ」
信頼は思ったより脆く、噂は薪の火のように
広がる。ミリアは夜空を見上げ、小さく呟く。
「あたしが、アンタを守るべって言ったけどさ。
それでも他の連中は、話が別なんだべ」
俺は深く息を吸い、決意を固める。真相を掴む。
誰が、何のために――赤外套の影は何者か。
――次回【第5話】「償いの旅路と、絆の形」