【第2話】森の襲撃と、荷運び者の覚悟
▼戦力ステータス:神代ユウト(現状)
【総合戦力値】:28
【身体能力】:9
【魔力適性】:4
【知識・応用】:7
【潜在覚醒値】:999(未開放)
ミリアに助けられてから数日が経った。
だが、まだ俺の役割は変わらない。荷運び者としての雑用は続き、仲間たちの冷たい視線も変わらなかった。
「ユウト、お前に任せる荷物は増えねぇ。だからせめて、少しでも足手まといにならないようにしろよ」
リーダーの声は、どこか諦め混じりだった。
そんなある日、森の奥深くで、再び魔獣の群れが襲撃してきた。
「全員、配置につけ! 今度は手加減しねぇぞ!」
戦いの緊張が走る中、俺は思った。
(俺がこのままでいいわけがない。何か――何かしらの力を身につけて、この世界で生き残るんだ)
〈戦闘ログ〉
魔獣ラヴァゴス出現
ユウト新スキル獲得:重力操作Lv1
ミリア使用スキル:氷槍連射Rank B
俺は初めて、魔力を意識的に操作し始めた。
「――重力、変える……!」
手のひらに奇妙な感覚が走り、森の地面の一部の重力が増し、魔獣の動きを鈍らせた。
「くっ……動きが鈍い……!」
ミリアは驚いたように俺を見た。
「……やっぱり、あんたはただの荷運び者じゃねぇ……」
その言葉が、俺の胸に深く刺さった。
仲間たちの中には、徐々に不穏な空気を漂わせる者も現れ始めていた。
信頼と裏切りの狭間で、俺の心は揺れていた。
(この絆が、崩れてしまうのか……?)
だが、そんな中でも新たな可能性を感じさせる影が、森の向こう側に見え隠れしていた。
(俺はまだ諦めねぇ……)
次回【第3話】「揺れる絆と、迫る新たな影