第七話 HOPE
みじかくてごめんなさい。
そこに記されていたのは毒耐性小の文字が五つ並んだ図だった。それを見てカイも驚きを隠せていない。アレンも最初は何が起こっているのかわからなかったが、すぐに何が原因なのかを理解した。
きっとこれはHOPEの効果で手に入れたスキルなのだろう。この町にたどり着くまでに倒したスライムの数は五体。ちょうどこの毒耐性とやらの数と一致する。
この事実はアランにとってはかなりの朗報であった。スライムを倒してスキルを手に入れることができたというなら、HOPEのスキルを奪うという効果は人間だけではなく魔物相手にも効果を発動するということだ。
ヴァルドの説明の仕方から人間からしか奪うことはできないのかと思い込んでいたため、正直HOPEを上手く使いこなす自信はアレンにはなかったが、これならなんとかなるかもしれない。
「なんでか同じスキルがいっつも並んじゃってるんですよね。ちょっと待っててください。上の者を呼んでくるので…」
「いや、これで大丈夫です。説明とかって全部終わりましたか?」
「え?はい。でも、いいんですか?」
「はい。ありがとうございます」
紙を受け取り呆然としているお姉さんを背にアレンとカイはその場から離れる。
「大丈夫って言ってたけど絶対大丈夫じゃないと思うぞ?スキル二つなら持ってるやつが稀にいるって聞くけど、流石に5個もあるのは聞いたことがないしそれにプラスで全部同じってなったら流石に故障だと思うな」
「そうかもしれないけど確認したいことは確認できたからいいんだ」
「お?そうか?ならいいんだけどよ」
心配そうにしていたカイの顔が笑顔に変わる。
「それにしてもスキルが毒耐性って珍しいな!」
「珍しい?」
「?ああ。1種類にだけ対応した耐性スキルってあんま聞いたことねえからって…ああ!すまん!決してそのスキルが弱いって言いたいわけじゃないぜ!」
「ハハ…って、ん…?」
「…?どうした?」
そんな会話を交わしている中一つの疑問が突如アレンの頭の中に浮かぶ。この村に来るまでに倒したスライムの数は五体。そしてここに記された毒耐性×5の文字。何かがおかしい。いや本来あるはずのものが足りていない。
「俺自身のスキルはどこだ?」
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