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【 『禁術』である『錬金術』 生み出したのはコンビニ店員!? 】


 突然だが皆さん、『錬金術』をご存知だろうか。


大人気アニメ『鋼の錬金術師』を想像した人は多いだろう。私も一番最初にそれを想像する


主に錬金とは何か、


『化学的手段を用いて卑金属から貴金属(特に金)を精錬しようとする試みのこと。』

『様々な物質や、人間の肉体や魂をも対象としてそれらをより完全な存在に錬成する試みを指す。』


〇〇で△△を錬成する見たいなもんなのかな?まぁざっくりそんな感じでいい



今回は『コンビニ』に存在する『錬金術』について話していこうかと思う。




 今やどこのコンビニでも見かける『ホットスナック』


『アメリカンドック』や『フライドポテト』『からあげ』『フライドチキン』


 当たり前の様に存在している『ホットスナック』だが、数々の『伝説の研究者』によって生み出された訳だ。


最近では変わった商品が日々開発され、我々に提供されている。なんて素晴らしい世の中であろうか。



そんな『ホットスナック』を提供している私たち『コンビニ店員』だが、仕事は至って簡単だ。


冷凍されている商品を『フライヤー』に入れ、『タイマーをセット』、後は出来上がりを待つだけである


なんて『簡単』なのだろうか。我々の負担を少しでも軽減しようと影で頑張ってくださっている


『伝説の研究者』の方々、本当にありがとう。



ここで少し誤解をしてほしくないのが、作り方が『簡単』なだけであるということ。



我々コンビニ店員、最大の難関が『種類』にあるということだ。



私が働いている時間帯に『お昼』が存在してしまっているのが主な原因。


『ホットスナック』以外にも『お惣菜』を作らなければならない。


『お惣菜の種類』は『ホットスナック』の2〜3倍程、時期によってはもう少し多いかも。



私が働いているコンビニの『フライヤー』は『2台』


フライヤー1台で1種類なんて到底できたものではない。


仕切りを使って『ホットスナック』を3種類以上は作らなきゃ『時間』が勿体ない。


『ホットスナック』は揚げる時間が基本は『6分』


しかし、全部が『6分』という訳ではない。『4分半』速くても『1分』程かかる。


『ホットスナック』ですら大変なのに『お惣菜』まで加わると、


『時間』『人手』『フライヤー』が全然足りない。


揚げている間にも『お客さんの対応』はもちろんの事、『掃除』や人によっては『発注』などがある。


『お惣菜』が加わるだけでも結構ギリギリ。



では何故、今までやってこいれたのか。それは冒頭に少し話した



『錬金術』



のおかげなんだよね。



 突然の中二病発言申し訳ない。でもこれが本当に助かっている。何より『時間』を解決してくれただけでもありがたい。




 ではコンビニで『錬金術』とは一体何か。




 それは揚げる時間が違う『ホットスナック』『お惣菜』を適切なタイミングで入れ、同時に完成させるという『禁術』なのである。



 職場であるコンビニ、もう数十年にもなるのだが、これをやり始めたのはこの私らしい。


ちょっとカッコつけて私はこれを『錬金術』と呼ぶ様にした。


では何故『禁術』になっているのか。その出来事を少しだけ。



皆さんがよく食べる『からあげ』『フライドチキン』は『6分』で完成する。


そこに私は『1分』で出来上がる『フランクフルト』を入れる事にした。


『1分後』に取り出そうとした私だが、ここで『お客さん』が来店。




対応をする事、数分、、、




フライヤーに出来上がりの音が店内に響く。私は焦った。


『フランクフルトが!!!』


と心の中で叫び、駆けつける。



そこには見るも無残な『フランクフルト』の姿が。



まるで、勇者の最初の武器『木の棒』の様になっていた。



『丸コゲ』になり、『鋼の様に硬く』なっていた。それはそうだ『1分』を『6分』で揚げたのだから。


あまりにも申し訳なく思い流石に購入を決意。あの時食べた『フランクフルト』の味は今でも忘れないよ



この出来事があり、私は『禁術』にする事に。


使用条件として


『時間』に余裕がある時、又は


『錬金術』をしている事を『他の従業員』に伝え、『共有』する事を条件に封印することに決めたのだ。




もうあの時の様な、悲惨な事故を二度と繰り返すものかと心に誓う私。



そんな私はまさに今、『6分』の『フライドチキン』と同時に



『1分』の『フランクフルト』を入れ終わった。



また『丸コゲ』で『鋼の様な硬さ』の『フランクフルト』を作るつもりなのか。


あの事件を繰り返さないと誓ったあの瞬間はどこにいったのやら。




『楽したい』という感情に負け、『禁術』である『錬金術』に手を出してしまった私。




『成長』と『反省』が一切感じられない。



そんな私こそ、『鋼の錬金術師』なのではないか、と思うお昼であった。


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