【雨のコンビニは勇者の気持ちがわかる〜編】
「返事がない。
ただの しかばねのようだ。」
ベッドに寝転んでいる私に、そんなテロップが出てるのがわかる気がする
携帯から鳴るアラームを止めて、慣れた足取りでリビングへ
洗面台の鏡を見ると「くさった死体」にそっくりな私
仕事は朝早い。1年半も働いているのに顔色を見て慣れてないのがわかる。
かなりぐっすり寝れていたのか、寝癖が凄すぎる。
まるで重力が仕事をしていない。
シャワーに入り、直そうとも思ったが今日は時間がなかった
ドラクエのホイミンの様な、かわいい相棒だと思って職場に連れていくことを決心する
今日は生憎の雨だった。この時期の雨は蒸し蒸しする感じがどうも苦手でならない
相変わらず気分が乗らない感じで出勤する私。
言わずもがな寝起きで声が出ない。今こそ
「おはようございます」
というテロップを頭上に出して欲しい。
なんならこれだけで接客を終わらせたいところだ
寝起きと雨というデバフ、そして寝癖という相棒を引き連れて
今日も私はレジという戦場へ向かう
私が雨を嫌う理由がもう一つある。
今回はこれをメインに話していこうと思う。
私が住んでいる所は正直田舎だ。外に出て周辺を見晴らしてみると田んぼや畑
道路には軽トラックや変な重機が走っている。
そこにポツンとあるコンビニに私はいる訳だ。
察しが良い方はわかると思うが、年配の方々が結構な頻度で来店してくる
今の時期、畑仕事や田んぼのお世話、家畜のお世話で彼らは大忙し。
そんな『彼ら』は、朝ご飯、昼ごはんを買いに
しょっちゅう私がいるコンビニに来る
正直店の利益になるので来店していただけて本当に嬉しい。感謝の日々である
だがしかし、彼らが唯一モンスターに変貌する時がある
先ほど話にもあがった 『雨』
『雨』 + 『彼ら』の組み合わせは破壊力が絶大なのだ
融合モンスター最終形態。絶対に組み合わせてはいけないレベル
私は彼らが来るとき毎回思う事がある。
『頼むから長靴についた泥を落としてくれ!』
『なぜ店入った時のマットでしっかりと落とさないんだ!』
私が雨を嫌う理由はここからも来ているんだ。みんなわかってくれ
雨が好きな方々、決して雨は悪くないと思うよ。組み合わせが悪いだけなんだ
私が住んでいる所が田舎という話をしたと思うが、最近土地が安いからという理由かわからないが新居がここ数年でかなり増えてきた。
なのでお店を綺麗にしておくことで新しいお客さんを獲得したい。
だからまとめて最後に掃除という訳にはいかなく
『汚れては掃除、汚れては掃除』
こんな感じなんだよね。せっかく掃除が終わったのにまたお客さんが通った道が汚れてるとがっかりしちゃうよね。
【清掃の刃 無限モップ編】な訳ですよ
イライラする気持ちを抑えては同じルートをひたすらモップで巡回する私
同じ草原でレベル上げをしている勇者一行の気持ちがわかるよ
ひたすら掃除に没頭していると案外時間が過ぎるのは早い。
残りの時間を接客や揚げ物をあげる作業をして今日の仕事は終了
私のレベル上げ作業は終わったよ。勇者様
モップで掃除するの結構力入れるから疲れるんよ、皆の衆。
くたくたの体で私服に着替え、職場であるコンビニを後にしようとする私
祝福の宿(自宅)に向かおうとする途中、ポツリと降ってくる雨
私を濡らす雨は突如として降ってきた。ちょっとしたゲリラっぽい感じ
さよなら私の寝癖(相棒)。また会おう
走って宿(自宅)に駆け込む私。濡れた髪をタオルで乾かしている途中に
小学生の弟が帰ってきた。
元気いっぱいに家に上がりゲームを探し始める弟
すると私はある異変に気づいた。
『弟は全然濡れていなかった』
タオルを頭に乗っけながら窓を見てみると雨は止んでいた
私はもしかしたらこの先数十年、雨と戦わなければならないことを悟った
【雨 傘なし 対策】
と携帯で早速検索する
すると雨は走るよりも歩った方が濡れないらしい。
完璧な対策を調べきった所で
次雨降った際、歩って帰ろうと誓う私であった。
終わり