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【早朝の還暦魔導士襲来 編】

寝ている時が私の充電なのであれば、


出た瞬間から残り10%の通知が来ていることだろう。


充電の容量がないケータイの気持ちがしみじみとわかる朝であった。




サ○ヤ人の様な寝癖のまま、出勤し始める私


相変わらず喉が死んでいる。声がまったく出ない


職場で振り絞って出した第一声がマ○クラの村人のような声だ


今なら彼らと意思疎通が取れるのではないかと思った矢先、


早速、魔導士(お婆さん)の来店だ。






還暦魔導士「りばhfね@:vfんm」






朝からMP使って魔法かな?




なんてことは冗談。でも本当にこんな感じ


寝ぼけている私の耳が終わってると思うだろ


本当になんて言ってるのかわかんないんだ




このご時世、某ウイルスのせいで皆さんはマスクという頭防具をつけていることだろう。もちろん私もしている。


その魔導士(お婆さん)もつけていた。だとしても聞こえなさすぎる




複数回聞き返すのは失礼だと思い、私のなかで聞き返すのはせめて1回までと決めている。


1度は聞き返す私、それでもなんて言ってるかわからない




少し還暦魔導士は気を使ってくれてくれたのだろう、


声を大きくしてくれたのはすぐわかった


だとしても聞き取れないんだ




そもそも私が住んでいる家と職場コンビニは村内にある。


還暦を迎えた魔導士がしょっちゅう店に来る


なんとなく皆さんお分かり頂けただろうか。。。






還暦魔導士は「なまり」があるのだ






私も村内に23年間住んでる訳だから「なまり」を聞き取れる


多少の自信を持っていたが、




ボスがLv10の勇者を倒すぐらい


いとも簡単にその自信は破られた。。。




さすが還暦魔導士、恐るべし




まだ屈するわけにはいかない。この魔導士の要望に答えなければならない


これは私の使命だ。絶対にやり遂げる!




そう一瞬ながら誓った




私は最大限、すかすかの頭で理解しようとした。




この時の私は某名探偵コナ○並に冴えていた(頭脳は大人なのよ)




微かに聞こえた最初の二言




「リバ」




リバと付く商品があるのだろうか。


タバコや食べ物ではないことがすぐわかった




パッと思いついたのは、飲み物やデザート




でもそれなら店員である私に聞かないはずだ。


私が立っているレジのすぐ横と後ろにデザートと飲み物のコーナーがある。


ノータイムで取りに行くはず




では一体なんなのか、




その瞬間、私の脳内で、ある革命的なことを思い出した。






『絆創膏ばんそうこう』






ある地方の方言では『絆創膏』を『リバテープ』と言うらしい


つい最近、地方の方言を調べた際、得た知識が役に立った。




私は、謎の自信で魔導士を絆創膏があるコーナーまで案内する。




合っていたのか、還暦魔導士は喜んでいた




『私もやればできる!よくやったぞ私』




この時はいつもよりたくさん自分を褒めてやろうと思ったよね






還暦魔導士「そうそう、これが欲しかったんだよ ありがとね」






そう言い放った魔導士は目的の商品に手を伸ばす




そこで私は驚愕したのだ。


なんと手に取った商品は「絆創膏ばんそうこう」ではなかったんだ。




魔導士が手に取った商品、それは。。。






「リポビタンD」






絆創膏やティッシュなどが置いてある棚のすぐ横


栄養ドリンクコーナーにある


「リポビタンD」


が目的だったらしい



『最初の二言せえ、合っていないだと!』


感情が露頭に迷った、喜びと悲しみが綺麗に半分ずつ混ざり合った感じだ


『なんだったんだ、あの脳内会議は!アホか私!』




でも還暦魔導士が私に対して「ありがとう」この言葉を頂けたのは事実だ




私はすぐさまレジに戻り、お会計をする


その後、光が差す出口へ向かう還暦魔導士の背中を見ながら


「ありがとうございました」




とお辞儀をする




なんとかやり終えてほっとする私




還暦魔導士が放つ魔法を対応することで


『Lv1』と『かしこさ』が1上がった気がした




私もいつか歳を取ったら若者に魔法を放つのだろうか


なんて思いながら徐にケータイを取り出し、




『滑舌改善法』




を調べて、勇者(お客さん)が来ない時に試してみる私であった。




終わり






ポンコツAから一言


最後までご覧いただきありがとうございます。




接客業でお勤めの皆さんいかがですか?


電話口、接客などで


「声が小さい 何言ってるかわかんない 早口」


などはありませんか?


私が働いている場所はコンビニ




避けては通れないよね 共感してくれれば私は嬉しい!



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