表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全問正解子ちゃん  作者: 総督琉
女王文月編
89/114

現在の学園①

いよいよ物語はクライマックスへ。

終焉に終焉を重ね、その先に積み上げられるものは何か?

破滅か、それともーー

最後の戦いが今、幕を開ける。

 八月三十一日。

 月虹学園、そしてそれに附属する四つの学園は、文月京に変わって玉座に座るある者によって支配されていた。


「全知、もう何十日も姿を現さないんだ。それに学園から追放されたはずだから戻ってくることはないだろ普通」


 四天王の一人、落雷は当然だと言わんばかりにそう伝える。

 だが全知は納得していない様子だった。


「文月は追放、つまり()()退()()などではなく()()だ。文月はいつかこの学園に帰ってくるということ」


「へえ。で、もし彼女が帰ってきたら君はどうするつもりなのかな?」


「その時は今度こそ僕が倒さないといけないからね。彼女の相手は君たちや和国ではなく、僕の役目だ」


「でも噂によると、君は一度負けているらしいじゃん。勝てるの?」


「勝つさ。そのためにあの日、負けたのだから」


 とはいったものの、全知の策は既に崩されていた。

 あの日全知が負けた理由、それは文月をこの学園から追放するため。ではなぜあの時全知が負けることにより文月が追放されることになったのか。


 もしあの日全知が文月を倒していれば、文月は黒色に染まらなかった可能性が高い。つまりこの学園の支配者にはなれていなかった可能性が高い。

 だがあの時文月が全知を倒したことで、文月はもう黒色に染まった。そして学園を支配したーーはずだった。だがさすがの彼女でも理事長には敵わなかった。

 故に、追放という形ではなく、理事長によって停学処分となった。本来であれば、理事長と戦わせる前に追放されるつもりであったが、それは敵わず。

 だがおかげで玉座は空き、そこへ()()()が座することとなった。




 紅橙霞は現在、総務委員会専用のマンションの一室で本を読んでいた。今の彼女は、ただ心を落ち着かせるしかなかったからだ。

 だがすぐに飽き、橙霞は学園を眺めて不安を抱いていた。

 そこへ部屋の扉がノックされる。


「誰だ?」


「私だ。冬待だ」


「入って良いよ」


 冬待は部屋に入り、立ったまま話を始める。


「なあ橙霞、明日、いよいよ総務委員会の会議が行われる。もしその日生徒総会を創設できなければ、この学園は完全に全知によって支配される」


「そうだね」


 橙霞はある手紙を眺めながら相づちをうった。

 彼女が見ていたのは紅蓮華から送られた一通の手紙、その内容は空いた玉座に全知が座ったというもの。

 つまりこの学園の支配者は全知となったのだ。


「これまで何度も全知の策に踊らされてきた。でもそれも明日で終わりにする。九月一日、その日を私たちの"勝利の日"として刻むんだ」


「取り戻そう。奪われた全てを」



 そう、学園は全知に奪われたーー

 現在の学園は混乱状態で、収拾がつかない程になっていた。

 そんな学園を取り戻す手段、その唯一の術が生徒総会の創設、そして生徒総会が支配者勢力を打倒することにある。


 それが明日の九月一日に決まる。

 勝つのは支配者か、それとも反逆者か。


学園の存亡はいかに。

九月一日、橙霞らの戦いが始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ