小テスト①
入学早々、待っていたのはテストであった。
この学園では本人確認をするのは学力のみ、つまり学力さえあれば本人だと認められるわけだ。
私は学園へ入ろうとしていた。
だが止められ、本人確認をするために小テストを受けることになる。これが毎朝続くのだ。
面倒だとは思いつつも、私は案内された個室にあった椅子に座り、テーブルに置かれていた鉛筆を持ってプリントを見た。
「漢字か」
そのプリントを見ただけで私はあくびが出た。
それもそのはず、今目の前にあるのは小学六年生レベルの漢字のみ。だが私は中学一年生、一問たりとも間違えて良いはずがない。
(どうやらこの学園は、私を舐めているようだな。なら教えておかないといけない。私がどれほどできる"逸材"かを)
私は百問あった漢字をわずか二分で終わらせた。
その間、ノンストップで私はやり遂げた。まあ少々手首は痛めたが……。
プリントをやり終えると、壁には突如紙一枚を通せるほどの横長の穴が現れた。私はそこへプリントを入れる。だがまだ扉は開かないらしい。
十秒後、扉は開いた。そして扉についていたモニターには点数が表示される。
『受験者:文月京
科目:漢字
点数:100/100』
「当然だ。満点以外に興味はない」