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全問正解子ちゃん  作者: 総督琉
バイバイ
113/114

素晴らしきこの学園

そして物語は完結へ……

 学園全面戦争から数日。

 学園から支配者は消えた。


 今この場で行われているのは、生徒会任命式。

 生徒会長の座に就いたのは紅橙霞。これより新たな学園をつくるため、その希望を新生徒会に託された。

 変わったのは生徒会だけではない。

 最高委員会の委員長は士道へと変わり、風紀委員会の委員長は神原へと変わった。


 この学園は変わった。

 それが必ずしも良いとは限らないが、良いものになれば良いだろう。その世界はきっと美しいものだから。



 新生徒会長となった紅は校舎の屋上へ向かった。そこには文月が待っていた。


「文月、私、生徒会長になったよ」


 誇らしげに胸を張って紅は宣言した。


「ああ。有言実行したな」


「私何か言ったっけ?」


「覚えてないのか。紅がくれたこの手紙、読んだんだよ。そしたら"生徒会長になって、学園を変える"って、でかでかと書いてあった。きっと昔の私が読んだら爆笑するだろうな。でもさ、今読むと違うな。成長したよ」


 その台詞にときめき、橙霞は嬉しそうに微笑んでいた。


「文月、いや、京。私、これから生徒会長として頑張るから。だからずっと私のことを見ていてよね」


「ずっと見てるから、頑張れよ。橙霞」




 病室にて、全知は小唄と静かに話を交わしていた。


「小唄、ありがとな」


「ねえ全知、私さ、ずっとこの病気が治らないと思っていた。だから君にも会えないままだと思ってた。でもさ、私、今凄く嬉しいよ」


 小唄は満面の笑みで言った。


「だって大好きな人が私の病気を治してくれたんだから。だから私は君のことをもっと好きになった。そしてこれからも、君を一生好きなままでいる」


 真正面から言われ、全知は照れていた。

 そんな全知を楽しそうに小唄は見ていた。


「小唄、僕も……僕も君が好きだよ」


「それじゃ結婚しようか」


「け、けぇぇぇええ!?」


 驚きのあまり、全知は気を失って倒れた。


「全く、君は悪に染まっていた分、そういうことにはうぶなんだから」


 倒れた全知を見て呆れていた。

 だが、小唄はまた日常が戻ることに喜びを感じていた。


「私、やっぱ君に会えて良かったよ。全知」


 いつの季節も病室の窓辺には桜は舞う。

 その桜を眺めながら、今という時間に小唄は感謝していた。

 それからその病室での会話をこそこそと聞いていた冬無や冬待、暗黒らが中へ入り、病院はお祭り騒ぎに。


「やっぱこの日常が好きだな。私は」


 学園は素晴らしき世界へ。

 楽しく、明るく、面白く、そんな学園で彼らが微笑みを浮かべる。


 やっぱこの学園が最高だと。

いつだってこの学園は素晴らしい。

だから胸を張って生きよう。

誇り高き生き方をし、恥じない生き方をするために。

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