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最期の五英雄

「ええい、レン。もう何も考えるな。お前はもうここから逃げ出せ、後は私に任せろ。エルフの誇りが蘇ってきた。もう怖気づいたりはしない。コボルト先生の仇、一矢報いてやろう」

 

 アリシャがコボルト先生の壮絶な死に様を見て放心状態になってしまった俺に言った。


「ア、アリシャ…」

 

 俺は辿々しく言葉を発した。


「もう、時間はないぞ。白色ウルフと騎士団もほぼ壊滅状態だ。アークデーモンを足止めしないと、奴は動きだしてしまう」

 

 アリシャはそう言うと、手首につけていた緑色のバングルを外した。


「前にも言ったが、これは毒豆の王のお守りだ。これを使う。しかし、私の精神を消費するからどれくらいもつかは分からない。その間にお前は逃げるんだ。生きてくれ。この村に来て、お前らと触れ合えて楽しかった。じゃあな、レン。私も最期くらいはエルフの意地を見せないとな」


 アリシャがバングルをアークデーモンに向けて掲げた。


 アークデーモンの立つ地面から、緑色の鋭い棘の生えた、太さ30cm程の蔓が何本も飛び出した。それはアークデーモンの手、足、身体に巻き付き拘束し始めた。

 アークデーモンは蔓を食いちぎったり、爪で切り飛ばしたりしているが蔓の勢いは止まらず、地面から続々と生まれてくる。

 

 アークデーモンと蔓の格闘はしばらく続いた。


 アリシャが倒れるまで。

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