野生の本能
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「概要は以上だ。これはいかに魔王の動きを牽制し、時間をかせげるかの戦いだ。くれぐれも魔王を倒してやろうなんて無茶をして命を粗末にすることのないように。5時間だ5時間もてばいい」
シュバイツが皆に説明をした。
シュバイツは命を粗末にするなという俺の必死の説得を取り入れてくれた。死ぬこと前提に戦うなんて、やっぱ俺の柄じゃない。生きる目的で戦ってやる。
「すまないが、私はその作戦には乗れん」
コボルト先生が口を開いた。
「どういうことだ、犬のおっさん」
「私がこの戦いに命を張ることは契約通りだ。しかし、あの闇の上位存在とやりあうには私も本来の姿に戻らねばならん。本来の姿に戻れば私はもう野生の本能の赴くまま。作戦のことなど考えられん。人の言葉を発することすらないだろう」
「すまない、俺はあんたのことよく知らないんだが」
シュバイツが言った。
「私は、豊穣なる大地の主様の中位眷属コボルトだ。今は人間世界で生活するためこの姿だが強敵とやり合うためには眷属としての姿を解き放たねばならん。そこで、バルガス。この地剣ディフェンダーをお前に託す。形見だ、受け取れ。名前の通り、幅が広く防御にも使える頑丈な剣だ。私の初めての弟子である、お前に相応しい。ここ数ヶ月だったがお前達人間と暮らせて楽しかったぞ。美味しい物も食えたしな。思い残すことはない。私は強者との戦いを待ち望んでいたのだ。あの存在になら私は本気で挑むことができる。大地の意地を見せてやろう。では、私は行く」
そう言うとコボルト先生は一人でアークデーモンに向かって歩きだした。
「待ってくれよ、先生。俺はまだ先生に教わりてえことが沢山あるんだ、形見だなんて言わないでくれ」
しかし、バルガスの呼びかけに返答はなかった。
あっという間に、コボルト先生は3m程はあろう金色の毛並みをした美しい狼に姿を変えた。
「ワオーーン」
大きな鳴き声とともに、コボルト先生周辺の佃煮海苔が吹き飛び、露出した地面の小石や土が空中に巻き上がった。
それはコボルト先生の全身に次々に張り付いていく。
幾重にも張り付く小石や土。
まさに大地の装甲だ。
装甲を施したコボルト先生は物凄い速さで魔王に向かって走り出した。
そして、人を喰らっているアークデーモンのどてっ腹に超弩級のタックルをかましたのだった。
勢いよくアークデーモンは吹きとんだ




