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黒の魔王感想からの悲痛な想起

 マシュー君に万能薬を飲ませてもらった俺は、身体が動くようになった。

 流石、万能薬、効果的面。ファイナルドラッグだ。        

 ただ、精神的ダメージはまだ多少、残っているが。

 

 マシュー君とカマラは防衛団の連中に万能薬を飲ませている。精神汚染されなかったコボルト先生はマシュー君を手伝い、同じくイプーとヤプーはカマラの肩に乗っている。

 

 あの真っ黒い巨人はただひたすら倒れた騎兵を貪り食っている。


 今が考えるチャンスだ。あいつが動き出したら俺達どころか山に避難している最中の村人でさえ発見され殺されてしまう。対抗策を何か考えないと。


 しかし、俺の頭に名案は浮かばなかった…


 先程の精神的ダメージが尾を引いている。

 

 思い浮かんだのは、なろう小説ダークファンタジーの金字塔、黒の魔王。

 読んだ時は衝撃だった。序盤で二つの村が悲惨な状態になり、魅力的な名ありキャラ達は殺されてしまう。最近じゃ、スパーダまでヤバいし。

 

 影響受けたなー

 

 主人公クロノの壮絶な戦い。超強い使徒達。呪いの武器とかカッコいいし。それに比べて何、俺の佃煮海苔。

 武器も武器だが俺はクロノにはなれない。あんな悲劇から立ち上がる根性はない。

 思えば、学生時代小説を書こうと思ったのも、あの作品がきっかけだったっけ。あんな人の心を鷲掴みにする素晴らしいダークファンタジーを書きたかったよ。しかし、出来上がってみればカスカス文章のコメディファンタジー。やってられなかったよ、本当に。身の程を知ったよ。

 

 どうしよう、黒の魔王みたいになったら。このままじゃ、あの真っ黒い巨人に皆、殺されちゃう。


 どうしよう。

 どうしよう。

 どうしよう。

 どうしよう。


「おい、レン。そんな深刻な顔して考え込むな。ワシも一緒に考えてやる。あれはグラッド王国英雄譚に出てくる魔王アークデーモンじゃ。あんなもん、放っといたら国が滅ぼされる。孫のパロポロのためにも、あれはここで討ち滅ぼさねばならん」

 

 パテラが言った。


「ジーサンに賛成だ」

 

 聞いたことのない声の方を振り返ると、見知らぬ銀髪長髪の男が立っていた。


「誰だ、アンタは? 」

「ああ、わりい。紹介が遅れた。俺は逃げたルバインをここまで追ってきた騎士団のシュバイツだ」

 実験小説みたいになってしまいましたが、グリームヒルトの世界観だとセーフなのです。

 黒の魔王、面白いですね、最高ですね。小説内感想です。

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