キルギス村の祭り①(最期のコメディー)
今日はキルギス村の祭りの日だ。
見張り塔と防衛用の柵の完成祝い、五英雄紹介、防衛団とハンター達の日々の奮闘努力に対する労いなどを含め祭りは大々的に開催されることになった。
村の広場には所狭しと出店や大道芸人や吟遊詩人などが集まっている。そのほとんどがキルギス村以外から来ているらしい。祭りの熱気は凄まじい。
村長のバルデスが広場中央の演台に上がり、祭り開催のスピーチをし始めた。
五英雄がバルデスの周りに並ぶ。
紹介が始まった。
「皆に、村を厄災から守ってくれる力強い助っ人を紹介するぜ。左から魔法使い号雷のパテラ、ちょっとスケベで守銭奴な爺さんだが腕はピカイチだ。俺もそのピカピカ雷魔法を見た時は小便チビリそうになっちまったぜ」
「ハハハ」
聴衆がバルデスのつまらないジョークに笑い声をあげる。
バルデスも気分が良いみたいだ。
「次はエルフの美女アリシャ、こいつは俺のお勧めだぜ。このデカイ胸と細いくびれを見てくれ、こりゃもう芸術品じゃねーか。家に飾っておきたいぜ。え? 紹介するのはそこじゃないって。すまんすまん、口がすべっちまった」
「ハハハ」
またもやバルデスジョークに聴衆が笑った。
「お次は、サラマンダーのイプーとヤプー。こりゃあ参った。ただの赤いトカゲじゃねーか。なんて思ったら大間違いの大火傷だ。お尻に火がついちまうぞ。これでもカマラの師匠サラマンダーだ、皆、よろしく頼む」
「ハハ」
だんだんと聴衆の笑い声が減ってきた。
「最後はとっておきだ。モフモフの可愛らいいワンちゃんなんて絶対言うんじゃねーぞ。コボルト先生だ。うちのハゲ息子の師匠をやってくれている。強えのなんのその、あのマシューですら手も足もでねーときたもんだ。期待してくれ」
「ハ」




