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ほのぼの回

 夕暮れの子鹿亭の隣には雑貨屋がある。主人の名前はヘルベッソ。齢78才を迎える腰の曲がったお爺さんだ。


「ヘルベッソさん、ポーションと万能薬の在庫は増やしてくれたかい?」

 

 俺は言った。


「ああ、増やしたともシワの数だけな。ワシももう長くはない。最後にメアリーに会いたかったわい」

 

 ヘルベッソは言った。

 

 意味が分からない。会いたければメアリーちゃん、隣にいるんだから会いに行けばいいじゃん。何、シワの数って。何、ワシ上手いこと言ったみたいな顔してんの。


「ヘルベッソさん、ポーション頭にかけて頭治した方がいいよ」

 

 俺は冷たく突き放した。


「ポーションはボケには効かん。ポーションはケガ。しかし、四肢の欠損には有効ではない。四肢欠損を治すには10億金貨くらい払って幻の獣ヴァリガルマンダの羽を使った特効薬を使わねばならん」


「そんなこと聞いてないしー、でも召喚したいしーヴァリガルマンダ」

「ヴァリガルマンダを召喚などできん。ヴァリガルマンダは寝ておるのんじゃ、閉ざされし氷の中で。ワシもこのシワさえなかったらヴァリガルマンダに会いに行ってたわいヴァリガルマンダの住む洞窟、通称ヴァリガルマンダの洞窟にな。この村の北東にそれはある」

「ヴァリガルマンダって言いにくいんだよね。ヴァリガルマンダ連発できる爺さん、あんた滑舌良いよボケてないよ」

「洞窟には子ヴァリガルマンダがいてな母ヴァリガルマンダそして祖父ヴァリガルマンダそしてエンペラーヴァリガルマンダそして皇太后ヴァリガルマンダが日々、ヴァリガルマンダかましてるというヴァリガルマンダ伝説を覚えておけ」


「もういいよー」

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