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カールソン

 怒号がこだました。場所は夕暮れの子鹿亭。


「なんだ、この村の宿は。子供が受付など、お忍びで来たとはいえ私を誰だと思っている。私はカールソン・エバーグレース男爵だ。庶民のお前らとは違う。上級国民だ。いいか、この国には50人しか男爵はおらん。私は選ばれたそのうちの一人なのだ」

 

 立派なヒゲを生やした50才くらいの身なりのいい紳士が怒っていた。


「しゅいません。お母しゃまが今、お出かけ中でしゅて。おじしゃん、男爵なんてそこそこ偉いんでしゅね」

 

 メアリーちゃんが一見物怖じしながらも小生意気な口を叩いた。

 これはヤバい。俺はメアリーちゃんに助け舟を出すことにした。

 権威主義な人間にはひたすらへりくだるに限る。


「これはこれは男爵様とはつゆ知りませんで申し訳ありませんでした。この子はまだ子供故、どうかどうかお許し下さい」

「なんだ、お前は。その服装はハンターか。でしゃばるな貧乏人め」

 

 男爵は俺に言った。


「まあまあ、お怒りを抑えてくだせえ、男爵の旦那。ここはオラの顔に免じて」

 

 俺は少しキャラを変えて許しを乞うた。


「黙れ、田舎のハンター風情が私に口を開くな」

 

 俺はカチンときてしまった。

 

 なんだこの権威ガチガチ人間は。上級国民の下っ端のくせしやがって。男爵など所詮、王でも飛車でも角でもない将棋の銀クラス。歩だって成り上がれば金になる。

 お前などに負けるわけにはいかない。Dランクハンター転移者のこれまでの歩みをなめんじゃねえ。

 俺は男爵の顔目がけて辛子十倍濃縮佃煮海苔を放っていた。


「ベチョ」

 

 それは男爵の鼻に命中した。


「な、なんだこれは。うごっ、鼻に刺激が。貴様、私にこのようなことをしてただで済むと思うなよ」

 

 男爵は怒りまくって腰のサーベルを抜いた。

 

 その様子を見た俺は合気の構えを取る。


 やるならやってやろうじゃないか、男爵さん。


 そこにタイミング良くマライアさんが帰ってきた。

 

 その姿を見るやいなや男爵は慌てながら立て膝をつき敬礼した。


「サー、マライア・ロスフェラー様。お目にかかれて光栄です」


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