ヤプーとイプー
その日、俺とマシュー君は村から少し離れた街道に来ていた。何をしに来たかというと、分岐点にあるキルギス村への道標に強者募集の看板を新しく取り付けるためだ。
道標に辿り着くと、なんとその下に30cmくらいの赤いトカゲが2匹いた。
「イプーおい、人間。何か食べ物を持ってないかイプー」
「ヤプー食べ物をくれ、人間。おいら達腹が減って死にそうだヤプー」
しかも、赤いトカゲは俺達に語りかけてきた。
「食べ物ですか、あいにく今は持ち合わせてなくて。すいません」
マシュー君が丁寧に返答した。
「イプーそりゃないぜ、イプー」
「ヤプーこのままじゃ死んじまうヤプー」
赤いトカゲ達は必死に訴えかけてきた。
それを聞いて俺は悩んだ。
食べ物はあるにはある。
「なんでもいいのか? 」
俺は赤いトカゲ達に確認を求めた。
「イプーなんでもいいぜイプー」
「ヤプー早く食わせろヤプー」
赤いトカゲ達は騒ぎ始めた。
「じゃあ、口を開けてくれ、おらよっと、ベチョ、ベチョ」
俺は赤いトカゲ達の口に佃煮海苔をおみまいしてやった。
「イプー美味えじゃねえかイプー」
「ヤプー美味え美味え、もっとくれヤプー」
赤いトカゲ達は喜んでいる。
「そらよっと、おかわりだ。ベチョ、ベチョ」
「イプー美味えイプー」
「ヤプー美味えヤプー」
「あらよっと、ベチョ、ベチョ」
2匹の赤いトカゲがマシュー君に続いて佃煮海苔信者になった瞬間であった。




