厄災の因果考察
「俺はあんたの話を否定はしない。この世界でユーチューブだのインスタだの言えるのは転移者くらいしかいないからね。そこで、まず聞きたいのはその厄災の因果がいつこの村に来るのかってことだな」
俺は少し考えてから山田純太に訊ねた。
「それは俺にも分からない。厄災の因果が組まれてるという情報だけだ。そんなに遠い未来の話ではないとは思うがな」
「分かった。それと、厄災とはどういうものなんだ。自然災害か人災か疫病かはたまたモンスター襲来か」
「それも俺には分からない。ただ闇の存在が厄災の因果というんだ。たぶん壮絶なものだろう」
「そうか、なるほどね。しかし、俺の今の気持ちを言うとだな。この村を離れることはできない」
俺はきっぱりと言った。
「何故だ、あんた死ぬかもしれないんだぞ。俺と一緒に逃げるんだ。俺の役目はそれだ」
山田純太は焦った口調で言った。
「無理だな。この村には知り合いもできたし仕事もできた。D級ハンターなんだ俺は。相棒もいる。金だってあるわけじゃない、村を離れるわけにはいかない」
「よく考えるんだ、厄災だぞ、厄災の因果。あんた、どうすんだ村ごと恐ろしい悪魔に生贄に捧げられたりしたら、あんた狂戦士になっちまうぞ。手を喰われ、片目を潰され」
「それってショック。俺にそんなガッツねー、ハゲ鷲の団しかいねー」
俺はダークファンタジーの金字塔漫画を思い浮かべながら言った。
「あんた、そういうノリか。後悔することになるぜ」
山田純太は俺を諭すように言った。
「まあ、そういうことだ。ただ厄災の因果の話は覚えておく。対策をこうじれるかもしれないし」
「あんた、死んでもやり直せるとか、そんな能力ないだろ。因果に抗うなんてやめるんだ。苦しいだけだ。サイコロ振れるのは一回だけ。あんたは逃げることが可能なんだよ」
山田純太は真剣な顔をして言った。
「そのひぐらしな俺に言ってもな。じゃあ、俺は部屋に行く」
俺はそう言って部屋へ戻ろうとした。
「待ってくれ、変態男色親父から強奪した金でここまで俺は旅を続けてきたんだ。俺にはもう金がない、俺に金を貸してくれないか? 」
「貸すわけないだろ、あんたみたいな奴に」
「じゃあ、仕事をくれ。俺はもう二日も物を食べてない、ここで倒れるぞ」
厄災の前に、厄介な奴が現れた。




