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真マシュー

「あなたには本当に失望しましたよ、レンさん」

 

 マシュー君が心から残念そうな顔をして言った。


「何を言ってるんだマシュー、頭でも狂っちまったのかい? 」

 

 俺はマシューの言葉が理解出来なかった。


「あれを見て下さい」

 

 マシューは俺が倒したモンスターを指差しながら言った。


「なんだい、こりゃ。こいつら大量ドーピングでもしてるってのかい」

 

 俺が見たのはなんともなかったように起き上がるハイゴブリンと黒色ウルフだった。


「レンさん。何故、あなたはトドメをささなかったんですか。モンスターというのは人間より生命力が強いんです。あんな攻撃受けてもすぐに復活します。僕と一緒に狩猟してきて何を学んできたんですか。僕はね、レンさん。正直言うと嬉しかったんです。あなたが裏でコソコソと僕に隠れて特訓してることが。強くなって僕を驚かせようという魂胆がみえみえでした。もっと言わしてもらうなら、その行動がまたいじらしくて可愛らしくて、あなたが男じゃなかったら求婚してるところでしたよ。冗談はともかく、僕はそんなレンさんに気付かない振りをして、あなたをからかいながらあなたの気持ちを盛り上げていたのです。あなたに強くなってもらうために」

 

 それを聞いた俺は膝をガックリと地面に降ろしてしまった。

 すべてはマシューの掌の上で踊らされていたということか。


「レンさん、あなたには本当の僕の姿をお見せしましょう。戦いとはこういうものなんだと魂に刻みこんであげます。僕に師はおりません、全ては僕が僕の戦いの歴史から作り上げたものです。さあ、ナリタレン、その眼に焼き付けよ、マシューオブマシューを」

 

 そう言うとマシューは短剣を両手に一つづつ握りしめた。まさかの二短剣流。そのままハイゴブリンのふところに素早く入り込むと首めがけて両手による短剣の連撃を始めた。

 

 サクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクボトリ

 

 なんと短剣の刺突だけでハイゴブリンの首を落としてしまった。


「まだまだ」

 

 サクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクボトリ

 

 黒色ウルフも首が落ちた。


「ナリタレン、これが本当の戦いというものだ」


 いや確かにヒッティングは凄いけどさ、首狙ういつものマシュースタイルだよね。

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