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カマラ

 翌朝、ぐっすりと熟睡していた俺はバルガスに叩き起こされた。

 隣ではマシュー君もまだ、むにゃむにゃしている。昨日は夜遅くまでマシュー君と佃煮海苔を食いながら、いろいろと語り合ってしまったからな。成長期のマシュー君には辛かったのかもしれない。大人びてはいるけどまだ16才だから。

 これが成り立ったのはバルガスが実は中々いい奴で一晩中寝ないで見張りをしてくれたお陰である。ありがとうバルガス。


「おい、二人とも出発するぞ、用意しろ」

 

 寝てないのにやけに元気なバルガスが言った。


 出発してから2時間くらい経過した頃、今にも消え入りそうな笛の音が俺の耳に聞こえた。


「今、笛の音聞こえたよね。たぶんこっちの方角から」

 

 俺は方角を指差しながら言った。


「ああ、とうとうご登場みてえだな。急ぐぞ」

 

 バルガスはその方角に向け全速力で走り始めた。マシュー君はそれについていけたが、俺は二人の後ろ姿を見失なわないように走るだけで精一杯だった。


「おい、カマラ大丈夫か」

 

 現場に一番乗りしたバルガスが声をかけた。


「助かった、団長がきてくれたか。私以外は皆やられてしまった、副団長失格だ」

 

 カマラと呼ばれた赤髪のスレンダーな女性が答えた。

 遅れてたどり着いた俺がまわりを見渡すと沢山の人が血を流しながら倒れている。


「油断しないでくれ敵はハイゴブリンだけじゃない。黒色ウルフが2匹いる」

 

 カマラが言った。


「なんだと、そりゃ厄介極まりねえな。あいつらすばしっこいから俺は相性わりいんだ。マシューに任せるぜ、と言ってる間にお出ましだ。皆、構えろ」


黒い狼が襲ってきた。


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