哄笑
「マシュー君。実は俺、魔法が使えるんだ」
俺は山道を先導するマシュー君に後ろから声をかけた。
「えっ、本当ですか? でも確かレンさん、記憶喪失じゃなかったでしたっけ。でもその話が本当ならとても凄いことですよ。魔法使いなんて国でも極僅かしかいないんですから」
マシュー君は半信半疑な顔をして言った。
「魔法のことだけは何故か覚えていてね。これが本当に使えるんだよ、マシュー君。俺の魔法で君を驚愕させてあげる。ゴブリンが出てきたら見せてやるから俺の魔法。楽しみにしてて」
その後すぐ、1匹のゴブリンが体よく現れた。
「じゃあ、見せてやるよマシュー君、我が魔法の真髄、いでよ佃煮海苔」
俺はノリノリに言った。
「ベチョ」
佃煮海苔はゴブリンの眉間に命中した。ゴブリンの眉間に黒い汚物が付着した。
「どうだい、マシュー君。俺の魔法は。凄いだろ? 驚いて言葉も出ないかい? 」
「プププ、冗談やめて下さいよー、レンさん。あれが魔法? 地面の泥すくって投げた方が威力ありますよ。もうフザケるのも大概にして下さいよー子供のお遊びじゃないんですから。ハハハ、レンさん面白いなーもう、笑いが止まりませんよ。よして下さいよ、ハハハ、あー面白い、あんなのが魔法だなんて。久しぶりだなあ、こんな大笑いしたのは、ハハハ」
腹を抱えて大笑いしてるマシュー君を見て俺は猛烈にカチンときた。バカにしやがって。
「貴様を許さない。これでもくらいやがれ」
俺は大笑いしているマシュー君の口めがけて佃煮海苔を放った。見事それはマシュー君の口の中に飛び込んでいく。
「えっ、何ですかこれ、とっても美味しい」
その日、天地球グリームヒルトに一人の佃煮海苔信者が誕生した。




