ウサギとカメとケツダイナマイト
「もしもし かめよ かめさんよ せかいのうちに おまえほど……ノロマなトンチキはいねぇよなァ~!?」
ウサギはいつものようにカメの足の遅さをからかい、仲間と一緒になって囲んで棒で叩いています。
「なんてひどいことを言うんだい、ウサギさん。僕の足が遅いんじゃあないんだ。この世界がほんの少し、生き急いでいるだけ、それだけのことさ」
カメは怒って言い返します。
「おい、ノロマなカメが何か言ってるぜェ!?」
「ウサギさんに逆らうやつはフルボッコにしようぜ!?」
「セガなんてダセェよな。帰ってプレステやろうぜ!?」
ウサギの仲間たちはそう言ってカメを棒で叩いています。
「やい、文句があるんだったらオレ様と向こうの山のふもとまで駆けっこで勝負しようじゃねぇか」
ウサギはニヤニヤしながら提案します。
「いいでしょう。このカメの魂と竜宮城の利権をかけ、あなたを打ち負かしてみせますよ」
カメは勝負を受けることにしました。
「もしオレ様が負けたらシェルパも雇わずエベレスト全裸登頂全世界生配信をしてやるよ」
互いの意地とプライドをかけて、駆けっこ勝負が始まりました。
大方の予想通り、ウサギがずんずんと先へ進みカメを引き離していきます。
「はっ、口ほどにもねぇ。オレ様の勝利は決まったようなもんだな。だが生粋のエンターティナーであるオレ様がこのまま圧勝してしまってはオーディエンスが不完全燃焼で終わっちまうぜ。どれ、そこの木陰で一休みしていくか」
そういうとウサギは懐からダイナマイトを取り出しいつものようにケツダイナマイト遊びを始めました。
さて、ウサギがケツダイナマイトを堪能している間、カメは着実に一歩ずつゴールへ向かって進んでいきます。
ウサギがはっと気が付いた時、既にカメはゴール直前まで進んでしまっていました。
「何ぃー!? いつの間に!?」
ウサギは完全に油断していたのです。
「このオレ様が……負ける!? バカな、そんな結末は認めねぇー!」
プライドの高いウサギは最後の手段を行使します。勇気を振り絞りケツダイナマイトに着火。
「勝つのはこのオレ様あぁーーー!!!」
導火線を伝った火は瞬く間にダイナマイトに到達、爆発的な運動エネルギーがウサギを加速させます。その威力によってウサギの体は音速の壁を、そして光速の壁をも突破して輝く素粒子と化し一陣の突風とともにゴールラインを突き抜けて次元上昇し、この世界から消滅しました。
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この物語はフィクションです。実際にケツダイナマイト遊びをするとあなたのおしりに重大な事故が起こる可能性がありますので絶対にお止めください。
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