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日記のようなそうでもない雑記集(予定)

三度見した蠅が、四度目に死んでいた話

作者: boxxxx->c

虫はそれほど嫌いではない。


例えば、コンクリの上で進路を妨害するダンゴムシとか、網戸に産卵し始めるカメムシとか、勉強中に耳元を通りすぎる蚊とか、そういう"うざったい"のはいるけども基本的には嫌悪感とかはなく、むしろ蜘蛛とか百足とかの虫はかっこいいとか飼ってみたいとかそういう気持ちすらある。(ただしゴキブリは衛生的に無理。形状は特に問題ないが。)


だから脱衣所とかで体をふいている時に、なぜかいて、周りを飛んでいる蠅とかもただただ、うざいだけである。


さっきも、風呂から出た時にどこから湧いたか知らんが、蠅が飛んでいた。おそらく、風呂場の窓の網戸に穴が開いていて、そこから蛍光灯の光に誘われてやってきたと思われる。侵入している場面を見たわけではないが、きっと。


いつものように、特に気にせず体をふいていると、いつの間にか蠅は消えていた。体をふき終わった私は保湿剤(ボディクリームのようなもの)を体に塗ろうと、脱衣所においてあるボトルを取ろうとすると、蠅がなぜかその横におり、羽をたたんでいた。


よく見ると、蠅は水溜まりの上に着地(着水)したようで、その水が羽に付き表面張力だか何だか知らないが羽がひらけないようであった。その水溜まりは、私の前に風呂に入っていた家族が作ったものだろうが、あまり気にせず保湿剤を塗り始めた。


ボトルを戻したとき、二度目に見たのは、さっきよりもなぜか体に水をまとわせている蠅だった。相も変わらず飛べないようで、さっきよりもバタバタしているように見える。今度は蠅自体に表面張力(?)が働き出し、水が蠅を飲み込もうとしているのだろうか。(そのとき、気にしているから覚えているのかもしれないが)やはり、あまり気にすることもなく、私は寝巻に着替え始めた。


三度目、着替え終わった時に見たのは、水溜まりから脱出している蠅であった。さきほどよりは動きが落ち着いている。あぁ、無事脱出できたのだな、と思い、私は脱衣所から出た。


そして、歯を磨きに、洗面所兼脱衣所に戻るとそこにいたのは、水溜まりからは逃れているものの、ピクリともしない蠅だった。よくよく見ると、周りが小さく水に覆われている。どうやら脱出した後も、表面張力による(蠅からしたら)水の檻を外すことができず、おぼれたらしい。私が三度目に見た時すでに瀕死だったようで、普通に水の囲いに気が付いていなかったらしい。私は何となしに、先ほど体をふいていたタオルを横から軽く当て、水の囲いを外してみた。まぁ、やはりというか蠅の足は依然として動くことはなかった。


十秒ほどじっと見つめて動かないことを確認した後、このまま放置しても特にいいことがあるようにも思えず、私は自室から持ってきたティッシュで蠅をつまんだ。(水に浸った虫の死骸がもろいことは、以前既に死んでいた蠅を素手で触った時に実証済みであった。私は骸を分解して、小さな足をその場に残したいわけではないのだから。)死んだ蠅は足などの向きがバラバラで、動いていた時と比べ、とても不自然なもののように見えた。


いつもなら、埃とかの小さなごみはごみ箱行きか、ごみ箱に捨てるのが面倒で水道に流しているが、その時はなぜかそのような気持ちになれず、最終的に骸だけを窓から家の外に放り投げた(弔った )


・追伸

雑記としては以上だが、最後にこれを読んだ人に聞きたいのが、「この蠅を二回目ないしは三回目に見た時、あなたは檻を外すだろうか」ということである。どうでもいいことだろうし、そもそも先述の蚊をつぶさずに捕まえて外に放すような人にしか、この質問は通じないのだろう。まぁ、私はこの質問をするためだけに長々とこの文章を書いたのだから、少しばかりは他者の意見を聞いてみたいと思っている。

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