表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

1話:いつもの日々

 醜さ、誹謗中傷、傷つけ合い、自殺——。


 様々な(せい)を拒む言葉。中には“生きたくない”という人もいるだろう。そんな日常の中で傷つけ傷つけられての繰り返しの生活。普通の人ならばこれは嫌だと思うだろう。然し、この話は鬱病のひとのこれから死ぬまでの話。


 5/7 8:00。この日は学校だ。


「はぁ…学校…やだな」


 そんな愚痴を零すのは、高橋大輔(たかはしだいすけ)である。彼は鬱病で、医師から「君は重症だね」と言われるほどだ。


「早く準備しなさーい。遅刻するわよー」


「チッ。煩えな」


 母の声ですらストレスがたまる。


 然し、学校に行かないと単位が落ちてしまうので、渋々準備して、学校に向かう。


(なんで僕は生きているんだ?(そもそも)、生きる必要なんてある?)


 何時もこのことを考えてしまう。如何して?


「はぁ…」


 鬱病だと、何もが楽しく感じない。つまらない。何やっても上手くいかないし、失敗はしでかすし、すぐに物が壊れてしまう。如何して?ねえ、如何して?


「おはよう!」


 明るく話しかけてきた女子は高杉町(たかすぎちょう)という名前で、周りからも親しまれている。


(はぁ…またか…なんで話しかけてくるの?鬱陶しいのに)


 じっと見つめられた町は、驚いた様に大輔を見る。


「どうしたの?」


「あ、いや別に。なんでも…ない…」


「?」


 疑問に思う町。然し何でもない、と答える大輔。この会話ですら大輔にとってはうんざりなのだ。それは「今すぐにどっかいってくれ」と思うほど。


「今日もいい天気だねぇ」


 そんなことはお構いなしに話す町。あざとくてうざい。寧ろ、話しかけてくんな、と思うほど。


「……何で僕に話しかけてくるの?…正直、鬱陶しいから、どっかいってくれない?」


(言いたいことは言った。さぁ、どっか行け。今すぐに)


「君もかわらないね。なんで?」


(いやいやいや。なんでそうなるの?どっか行ってって日本語が通じないのか?)


 潡々(どんどん)酷い方に曲解されていく。鬱病って、こんなひとの扱い雑なん?よくわかんね。


 そうこうしてるうちに教室に到着。ついでに逃げてきた。…はずだった。


「ほら、授業の準備しないと」


(…なんかいるし。ついてきたのか…えー…怠い…)


 ついてきたらしい。それも何もかも鬱陶しい。消えてくれ。と思う。


 そうした面倒臭い1日が始まる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ