テンプレの天ぷら
木々が生い茂る森。
「うっわあ、盛りってしてるな」
「ここが異世界か。うむ。俺の力もちゃんとある」
「あれ?回想シーンで私って名乗ってなかった?」
「いやあれお前が勝手に作った回想シーンであんな事言う前に俺死んだし」
「ボルテッカーの力は偉大なんだよなぁ……」
「その力で死んだからなぁ……俺もお前も」
希望の花が咲けと囁いたんだ。俺は悪くねえ!
「じゃあまずは村を探すことでいいか?」
「え、やだ。なにが嫌ってお前と俺の喋り方が同じでどっちが喋ってるのかわかんないのがやだ。見た目バルタン星人なんだからカッコいい語尾つけてよ」
「じゃあお前も名前ピカチュウだから可愛い語尾つけろ」
「俺はピカ様だから?ピカピカ言っときゃそれで万事解決TEKINA」
「バルタン星人って語尾に何つければいいんだ……?バルぅ!」
「行くぜピッカァ!」
「バルぅ!」
こうして俺たちは歩きだした。
方向なんて知らない。ただ進み続けるだけでいいんだ。
そして3ヶ月の月日が流れた。
「ラララー」
「ラー?」
「ララららら!ララー」
「ラー……ララ?ラッラ!」
ラララ……
「ラッラッラ!!!」
「ラー!!」
俺たちがいつもの会話をしていると、空から女の子が降ってきた。
「親方ー空から女の子が!」
「急に素に戻るのやめてバルぅ」
ピッカピッカ!
俺たちはその子をキャッチする。
「ん……こ、ここは?」
女の子は俺の顔を見て次にバルタン星人を八度見位する。
「ん?え?あ?は?ええ! ?」
的な感じだ。
「なんかびっくりしてるバルぅ」
「やっぱ今時バルタン星人って個性弱いからなぁ……背中から炎だしたりできない?」
「ファイアー!」
おお、背中から炎でたわ。バーニングゴジラのゴジラがバルタン星人に変わった感じだな。
「じゃあ俺も光ろうかな……ほら、やっぱピカチュウも今の界隈じゃ見た目派手にしないと生き残れないよ」
「あの……すみません」
おおっと!ええ!ええ知ってましたよ!女の子がいるって知ってたよ?で、名前は?
あ、今この世界の神っていうか作者的な存在からこいつの名前決めてねえわてへぺろって波動をフィーリングしたわ。
「君はどうして上から落ちてきたんだ?」
「……馬車が魔物に襲われてしまったんです。なんとか逃げようとしたら崖から落ちてしまって……助けてくださりありがとうございます。私の名前は——」
は!!!!!今作者からこいつの名前出させるなって気を感じた!
えー、じゃあ作者あ、こいつの名前出させない代わりになんかちょうだい。
おっと、いつのまにか足元にきのこの山とたけのこの里が!!サンキュー作者!
「待ってくれ。俺は別に恩を売りたいわけじゃ無いんだ。だから名前も教えてくれなくてもいい」
「あ、俺にもたけのこの里頂戴バーニングバルぅ」
「ほい」
「うめえ!」
「え?は、はあ?け、けど名前くらいは言った方が良いのでは……」
「くらえきのこの山ストライクううううう!」
なにかを口走ろうとする女の口めがけてきのこの山のキノコを投げる。
超!エキサイティング!
それからしばらく
「あ、ここから村って遠い?」
「徒歩で3時間と言った場所にありますよ」
「ピカチュウ語尾つけ忘れてるバルぅ」
「お前はよく律儀に守ってれるよな」
「いや、辞めてもいいならやめるけど?」
「は?なにバルぅ途絶えてんだ早く言えや」
「な?そう言うだろばるぅ?」
「あ、あの。私も一緒に行ってもいいでしょうか」
いいんじゃね?って視線を送ると……
あ、ごめん。ちょっとスーパーバルタン星人になるって感じの視線を返された。
「じゃあ俺と一緒に行こう。あいつは今から愛知の全企業に喧嘩売るから」
愛知県「来ないで」
「はあああああああああああ!!!」
銀色だったあの姿が、だんだんと金色になっていくのがわかる。
10万20万30万……まだ上がると言うのか!
「く!逃げるぞ!」
と言う茶番を挟みつつ。
「ええ……っと。不思議な方ですね」
「ねー」
「あなたも十分に不思議ですが……」
心外だ。たった異世界に二回転生して自爆したり神の意図を読んでるだけだ。
「んじゃあいこー!」
「あ、けどその前に。あの方がああなった理由はなんですか?」
「屁こきたいからじゃ無いの?あいつ下半身力む時ああなるし」
「ええ……」
少し下にスクロールすると評価ボタンがあるでしょう?それに5:5してほしいなって。app18の美少女のお願いだよっ!
はーいおっけーでーす
あー、マジだりー。ったくよぉ、なんであたしが媚び売らなきゃならねえんだよっつうの!
え?まだカメラ回ってる?
app18の美少女のお願いだぞっ