7 一回目の対面のおわり
お久しぶりです。生原稿です。
「違いますわ。そこまで仰るのであれば正直に申し上げます。私、お慕いしている方がいらっしゃるのです。ただしその方は身分が低くて婚約はできませんの。ですがだからと言って私の身分で婚約者を持たないわけにはゆきません。ですから殿下にご協力申し上げる代わりに、私にもお力を貸していただけませんかと言っています」
「……えっ」
「あの方以外の男性と結ばれることは私考えられませんの」
「それで、俺を利用しようということか」
「もちろん、その代わりに今後殿下に女性関係で苦労はさせませんわ」
熱い思いを込めて、殿下の目を真剣に見つめる。見つめあうこと数秒。
「本気か?」
「えぇ。殿下の恋路を邪魔したり致しませんし、出会いも邪魔致しません。女性に囲まれたいのであればそのように致します。それによって殿下のお立場に不具合が出ないようにも尽力いたします」
「俺は第三王子で、他国への婿入りも可能性があるんだぞ」
「存じておりますわ。私が殿下に都合が悪ければ牽制し、気に入ったのであれば助力いたしましょう。それによって私が汚名を被ることも構いません」
「そんなこと、できるわけ……」
「私を誰だとお思いですか?国唯一の公爵家ラベルト公爵家の長女ですわよ。少なくともこの国で困ることなどございませんわ。自分で言うのもなんですが、お父様からもとても愛されていますもの」
「そんな愛娘が低俗な奴と結婚だなんて認めないだろうな」
「あの方を貶すのはやめてください。生まれが低いだけで、彼は必ず功績をあげ爵位を得るでしょう。身分が低いのは今だけですわ」
「そんなに、すごいやつなのか」
「十数年後殿下にとって有用な人物になっていると思いますわ」
「ほう?それは興味あるな」
「先に言っておきますが、私から彼の名前をお伝えすることはできませんよ」
「何かやましいことでもあるのか」
「そうですね。将来もしかすると駆け落ちするかもしれませんので」
「駆け落ち!?」
「殿下。最愛の人というのは、何物にも代えられないものです。殿下も愛しい方ができればお分かりになりますよ」
「名前を教えなければ協力はしないと言ったら?」
「殿下。私は殿下が愛しい人ができたと言っても詳細はお聞きいたしませんし、趣味趣向に関しても私は個人的な感想を申しません。ですからどうか、私のこともお願いします」
「随分、都合のいい話じゃないか?」
「……申し訳ありません。ですが、今の私には殿下しか、頼れる方はいないのです。もし殿下に不都合があれば、この話は無かったことにしていただいて構いません」
「それならまぁ、俺が飽きるまでは付きやってやらなくもない」
「ありがとうございます殿下」
「お前の護衛、楽しみにしているぞ」
「お任せください」
その後お父様とお母さまと合流して馬車で自宅へ向かった。
「随分とソータ様と仲良くなったみたいだな」
「えっ。えぇ、とても良くしてくださいました」
「殿下も満更でもなさそうでしたものね。良かったわね、フェル」
「はい、ありがとうございます。少し疲れてしまったので、お先に失礼しますね」
「あぁ、ゆっくり休みなさい」
「後でお話聴かせてね」
「はい。失礼します」
ここまでご覧いただきありがとうございました。
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後々改稿する予定です。




