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転送された主人公は勇者になるのがお約束でしょ?!

「カトレア?!」

「カトレア!!」

岸で号泣していた二人が喜びと驚きを合わせたようななんとも言えない表情で船に近づいてくる。

そのまま二人によって船は岸へと戻された。その間二人はしきりに何かを話しかけていたように感じたが唖然としている俺の耳には届かなかった。

岸に着いて砂浜に降り立った。

さすが快晴、砂が熱い。夢ではないみたいだ。

ヤシの木に似た見たことの無い植物

ヨーロッパの田舎にあるようなレンガや土で出来た建物

伝わりやすいように地球上にある物で例えたけど、一番しっくりくる物は勇者や魔物が出てくる冒険物語ゲーム

いわゆるロールプレイングゲーム、RPGの街並みにそっくりだった。


「どうした?どこか痛むのか」

あまりにも無反応な俺におじさんが顔を覗き込む


俺この世界の人間じゃないんです!なんて言っても信じてもらえないだろうなどうしたもんか。

「え、あ、えーっと・・・」

「きっと意識がはっきりしていないんだよ!エイヴァン先生の所に連れて行こう」

返答に困っているといい様に解釈されてエイヴァン先生という人物の所に行くことになり、町へと歩き出した途端

「―――――!!!!!」

空から言葉では言い表せない泣き声が聞こえ急に日が暮れたように真っ暗になった。

何があったかと思い上空を見上げると視界に入りきらないほど巨大なドラゴンが飛んでいく


これから俺の人生はどうなってしまうんだろうか?




浜辺を抜けエイヴァン先生という人物の所へ行く途中町の様子を見てきて解ったことが一つ

どうやらこの世界の主な種族は巨人族のようだ。

すれ違う人みんな俺よりも倍の大きさはある、10歳前後の子供でやっと俺と同じ大きさだ

建物もすべて巨人族に合わせてあるらしい

この世界には巨人族しかいないのか?それともここが巨人族の町なのか?


気が付くと一つの建物の前に来ていた。

日本語でも英語でもない見たこともない文字の看板が軒下に掲げられている

【エイヴァン診療所】

見たこともない文字なのに読めるようだ。これはありがたい。

そういえばここへ連れてきた二人の会話も理解できてたな


診療所の中に入ると腰まである綺麗な金髪を一つに束ね、丸眼鏡をかけた狐目の優しそうなエルフが椅子に座っていた。

「おや?ミッチェルさんではありませんか。どうしました?」

入り口のドアベルに気づき二人に挨拶した。

「エイヴァン先生、実は娘が・・・」

「この度は急な出来事で、もうカトレアさんに会えないなんて・・・」


この人たちは最近娘を亡くしたのか。

急な出来事って言ってたな、かわいそうに・・・


腕を組みながら顔も知らないカトレアちゃんに黙祷をささげる。

するといきなりエイヴァン先生に腕を掴まれた。

あまりの勢いと力強さに思わず

「いて・・・」

と声を漏らす。しかしその声はエイヴァン先生の声にかき消された。


「カトレアさん!!どうしてあなたがここに・・・確かにあの日あなたの死亡を確認しました!」

カトレアさん?何を言ってんだ 俺は橘だ!

エイヴァン先生に掴まれた反動で横を向くと全身鏡に自分の姿が映った。


そこに映っていたのは7年間の社畜生活に疲れ切った30歳の橘の姿ではなく

金と緑を足したような髪色で目にかかるくらい長い前髪、腰まである二つのおさげをさげた約10歳前後の女の子だった。


真っ白になった頭で唯一考えられたこと、それは


アニメやラノベでは普通、異世界へ転生した主人公はチートがかった能力をもった勇者になるんじゃないのかよー!!!

こんな小さな少女ってなんだよ!!







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