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フィフスグラウンド戦記外伝 黒死蝶18

「いやいや!

バルさん!

さっき、レーザーが掠りもしなかった人は何処に行ったんですかねぇ~?

せめて、あの機体のシールドに命中させる位の事をしてからそういう台詞を言って欲しいんですけれど」

途端に、ライトフライが言い返す。

何言っているんですか?と挑発的な言い方だ。

「そう言うライトフライ嬢こそ、掠りもしなかったのでは?」

「だから、私はバルさんみたいに偉そーな事は言っていないじゃないですか!

いやだわぁ、この人ったら。

隊長もそう思いませんか?」

「まぁ、一理ある」

戦闘時以外は相変わらずライトフライのテンションが高い、そう思いながら答える。

「ですよねー!」

勝ち誇ったかのようなライトフライ。

「まぁ、一人で無理ならライトフライ嬢の活躍に期待しておきますとも。

我ら二人なら、きっと対抗出来るでしょう」

「な、何ですか……急に。

お、おだてても何も上げませんよ」

満更でもないのか、ライトフライが照れたような声色を滲ませる。

「ライトフライ。

もしかして貴女、嬉しいんじゃ」

テルシアが核心を突く様に言う。

途端に、ライトフライの機体が横に大きく傾いた。

「嬉しくなんかありませんよ!

て、テルシアさん、変な事を言わないで下さい!」

態勢を立て直しつつぴしゃりと言う。

「やだ、ライトフライったら。

可愛い」

何処かライトフライの言動に共感を覚えたのだろうか、テルシアが言った。

「もう!

ちょっと、私。

警戒飛行してきます!」

ライトフライは機体を一瞬、傾けて、旋回を始める。

何処か逃げて行くような飛翔に苦笑せざるを得ない。

「警戒飛行とは言え、もう帰還せねばなりません。

ライトフライ嬢!

何処へ向かうと言うのです?」

そう言いながらバルが追従する。

「もう!

バルさん、付いて来ないで下さい!」

「とは言え、今は編隊飛行しているのでそう言う訳にもいかないかと」

「だーかーらー。

付いて来ないで下さいって言っているじゃないですかっ!」

そんなやり取りをしながら飛翔していくバルとライトフライ。

本当に仲が良いんだか、悪いんだか。

撃墜された4機の抜けたケイン隊の編隊を見やって、俺は加速し始める。


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