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第二章 第一節(8/15(日))

…コンコン。"翔太君おはよー、由依だよー。開けてー"

雄平と一緒に撮影をして一夜。午前五時にホテルのドアをノックする音が聞こえた。翔太は着替を済まし、ドアを開けた。すると、

「わーい!!翔太君久し振り!!!」と言いながら抱きついてきた。翔太は顔を真っ赤にしながら

「ちょ…ちょっと待ってよ…」と、言った。すると由依は「あ!!ゴメン!!」と慌てて離れ、

「とりあえず…久し振りだね、翔太君」と言った。翔太も

「うん。久し振り。由依」と、言うと、由依は何故かムスっとした顔になった。翔太が「どうしたんだろう…」と思っていると、

「ねー、何で中学の時みたいに"由依ちゃん"って呼んでくれないの??約束したじゃん…二人きりの時は"由依ちゃん"って呼ぶって…」

「そ…そうだっけ…?」

「そうだよ。それとも寝ぼけてる?それならもう一回…」

「ご…ゴメン、由依」

「…。」

「ゆ…由依ちゃん…ゴメン」と、赤面しながら言うと、由依は笑顔に戻った。今日はこれから函館へと向かい、江差線に乗車する予定だ。

「今日は何処に行くの?」と、由依。翔太は「函館の方だよ」と教えてあげると、「いかめし…楽しみ」と由依は呟いた。そう言えば…

「あ…由依ちゃん、荷物は?」

「ん?隣の部屋。」

「もうそろそろホテル出ないと…」

「荷物持ってくるわ。」と言って由依は隣の部屋へ荷物を取りに行った。

数分後、身支度を終えた二人は次の日も同じ部屋へ泊まるとフロントに伝え、札幌駅へと向かった。


札幌駅へは6時に着いた。既に改札は開始しているがまだ客は少ない。

二人はみどりの窓口できっぷを買い、改札へ。列車に乗れるまで少しあるので待合所近くの駅弁屋へ。翔太は石狩鮭めしを、由依は海鮮えぞ賞味と柳もちを購入した。

駅弁を購入したあとは乗車する特急が停まっている4番ホームへ向かった。

函館行き5002D特急スーパー北斗2号。北海道初の振り子式気動車特急車輌、キハ281系を使用した特急だ。

自由席は最後尾の7号車と6号車。翔太は最後尾の車輌か先頭車輌にしか座らないと言うこだわり(?)を持っているので7号車乗車口へ。ドアはもう開いている。とりあえず乗車して荷物を座席へ置くことにした。

二人が座った席はドアに一番近い席。写真を撮りにホームへ行ったりすることが楽だったりする。

発車までまだ15分程あったので写真を撮ることに。今回乗車した車輌はキハ281-901。キハ281系の試作車だ。見分け方としては先頭貫通扉の窓が量産車より小さいとこだ。

幕や形式番号、"FURICO281"のロゴを撮っていると乗客が少しずつ乗ってきた。どうやら改札が始まったらしい。翔太も座席へ戻ることにした。

6:36。札幌駅特有のアナウンスと発車指示のベルの音が聞こえ、5002Dは定刻で発車した。これから函館までおよそ6時間40分の旅である。

ちなみに由依は窓側に、翔太は通路側に座っている。車内では車内の説明と、途中の停車駅の放送が流れていた。

新札幌へは僅か8分。30秒の停車ですぐに発車した。新札幌を発車して直ぐ、車掌がやって来た。

「きっぷを拝見します」

「はい。」と、きっぷを渡す。由依も「どうぞ。」ときっぷを渡した。検札はすぐに終わり、車掌は二人に「ごゆっくりおくつろぎくださいね」ときっぷを渡した。

車掌が隣の車輌へ行ったと同時に翔太は荷物を持って席を立った。

「何処に行くの?」

「後ろで録画してくるよ。」

「あ、私も行く」と、由依も荷物を持ち、最後尾の展望スペース(先頭車は実質立入禁止)へ向かった。見た感じ立入禁止ロープがない。どうやら今日は開いているようだ。

「久し振りに展望スペースに来たなぁ…」と、翔太。

「翔太君、ここって立入禁止じゃないの?」

「後ろは日によって開いてたり開いてなかったりなんだ」

「へぇ…(ドキドキ)」

再び展望スペースから外を見ていると由依が小さな声でこう言ってきた。

「ねぇ、久し振りに手…繋いで良いかな…?」

「ど…どうしたの?そんなき、急に…」ドギマギする二人。

「だ…だって、久し振りに会ったんだし…」

「そ、そうだね…」と、翔太は由依の手を握った。しばらくして由依がボソリと呟いた。

「そう言えば中学の時に約束したこと知ってる?」

翔太は「う…うん」と、答えた。

そう…あれは中学時代、翔太のお別れ会をした日の放課後。

由依は校舎の裏で翔太に告白したのだ。その時にとある約束をした。その約束と言うのが…。

『もし北海道に帰ってくるならどちらかの家で一緒に住む』と言うことである。

翔太はこの約束をよく覚えていた。だが…

「でも、あの約束って僕が北海道に帰ってきたら…の話でしょ?僕、住んでるの東京だよ?北海道に住んでないんだから無理じゃ――」翔太は由依に引き寄せられ、抱き合う形に。そして、

「う…うん、それは知ってる…でも、私、東京に行くって決めてるから…いいの」と翔太が驚くことを由依は言った。

「じ…冗談、だよね…?」と、訊くと

「冗談なわけないじゃない。私、どれだけ翔太君を、待っていたか、分かる?」と、言われた。「二人とも学校は普通科なんだし、転校する事だってできる。で、どうするの?」

「ど…どうするの、って…由依ちゃんのお父さんはどうなの?」

「もう、父さんからは許可されてる。」これじゃ、出ていけと言われてるようなものじゃ…

「あ、でも、喧嘩して出ていけなんて事になった訳じゃなくて、私がその約束の事を言ったら「そっか、由依も大人になったな。なら一緒に住んでも良いぞ。」って…」と、話をしているといつの間にか南千歳を発車していた。

「そうなんだね…なら、お父さんも?」

「父さんは北海道に居るって固いから私だけ。名字はそのままだけど、実質…うーん…居候みたいな感じかな?」

「…」

「私の部屋なんか――」

「ち、ちょっと待って。と、とりあえず整理させて。」

「うん。」

「ぇ~と、まず由依ちゃんはウチに住むことになる…と。」

「うん。」

「それで、僕と同じ学校に行くと…。」

「うん…」列車は勇払原野を進む。いつの間にか苫小牧に近づいていた。

「そっか、それだけ考えくれてるならもう一回言わなきゃだね…」

「何を?」

「由依ちゃん…白鳥 由依さん。」

「な…何?」

「僕と付き合って…一緒に幸せになってください。」翔太は赤面しながら勇気を出して言うと、由依は照れたような顔をして、

「お願いします。翔太君。一緒に、幸せになろうね。」と、言ってくれた。

「でも、録画する予定だった区間、過ぎちゃった。」

「あら、そうだったの」と二人で顔を見合わせて笑った。

沼ノ端を過ぎ、日高線が寄ってきた。

「もうそろそろで苫小牧かぁ…」翔太は横にある苫小牧貨物駅に夢中。

由依は翔太と一緒に外を見ていた。すると翔太が、

「あっ!!DD51だっ!!!」と急いでカメラを構えた。

"カシャカシャ…"カメラのシャッター音が車内に響く。

「おおっ…B更新機だぁ…」と翔太はウットリしている。由依は「B更新って…何?」と、翔太に聞いてみた。

「えっと…DD51って知ってる?」

「うん…来る前にちょっと勉強してきたから…」

「そのDD51のエンジンを載せ変えた車輌がB更新。他にもA更新もあるんだよ。」

「へぇ…」

"まもなく苫小牧、苫小牧です―"と、放送が流れ、7:24。定刻で苫小牧に到着した。

「じゃ、席に戻ろっか。」と、席に戻ることに。幸い(?)、座っていた座席は空いていた。

1分間停車して、定刻で発車。翔太はそろそろお腹が減ってきた。

「お弁当、食べよう…」と、購入した駅弁を出して蓋を開ける。

「久し振りの石狩鮭めし…」札幌の駅弁を食べるのは実に数年ぶり。

由依もえぞ賞味を取りだし、「美味しそう~」と言っていた。

二人は駅弁を半分こして食べあった。食後の柳もちも半分ずつ。

「ふぁ…美味しかった…。」

「そうだね…」ご飯を食べたのですっかり眠くなってきてしまった二人。

「しばらく、寝ていい?」

「うん、良いよ…」と、翔太は由依に寄り添って寝た。由依は翔太の頭を撫でながら一人、太平洋を見ていた。

「はぁ…釣りしたいなぁ…」由依は釣りが大好きだった。

「最近全然いってないけど、翔太君と一緒に釣り行きたいなぁ…東京だったらやっぱり船かな?それか奥多摩かなぁ…?ふぁ~あ…私も、眠くなってきちゃった…」と、由依も寝てしまった。

列車は黙々と進む。日本一の直線区間を通り、トンネルを抜け、登別へ…

翔太は登別通過後に起きた。「うぅ…ん…」と伸びをして辺りを見る。どうやら室蘭の町の方へ来たようだ。

「あっ、そうだ!!」と、何かを思いだし、急いで展望スペースへ。

「鷲別機関区、見えるかな…」狙いは鷲別に停まっているDD51…。この凸群を撮るのが今日の目的その1なのだ。

列車は幌別を通過。もうそろそろ…

「お、線路が増えてきた…」そして機関区の建物、車庫を横目に走っていく。

「あ、居たいた…」と、連写をする。原色機、A更新機、B更新機…もう本線には姿を表すことはないであろう凸達が休んでいた。

「凄い…嬉しいなぁ…」と、喜びながら座席へ。由依はまだ寝ているようだ。

「由依ちゃん。もうそろそろで室蘭だよ。」

「もう室蘭…?早いねぇ…」

「函館まではまだまだ掛かるけどね…」と、東室蘭操車場を通過して8:00。東室蘭へ到着した。そのまま定時で発車するのか…と思っていたら…

"お知らせいたします。先行列車の不具合の影響で東室蘭にしばらく停車いたします。発車まで今しばらくお待ちください。"と放送が流れた。

翔太は発車までしばらく掛かるのかな…と思いながら再び寝ることにした。



第二章 第二節へ続く。

と言うわけで三日ぶりです。711系です。まず第一に謝罪から。


三日間、更新できず申し訳ありません…。


実は金曜日からいろいろとありまして…(言い訳タイム)

金曜日→学校で遠足。疲れて更新できず。

土曜日→家の用事で外出。更新できず。

日曜日→更新しようとするものの、書きかけの文章が消えてしまい萎える。更新できず。



と言う状態でした…(超言い訳タイム



もうひとつ。この小説。恋物語っぽくなっているのは原作からの仕様です(((((

んまぁ、執筆者の2年前の私に聞いてくださいな(ハイパー言い訳タイム)

スーパー北斗を停めたのはJR北のあの事故があったから入れたのでしょうね…(スーパーカムイ 茶志内緊急停車 で出てくるかな…??


と言うことで、また明日からもぼちぼちと更新していくのでお楽しみに。(毎日うp出来るとは言っていない。

ではでは~( ゜∀゜)ノシ

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