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ラーベラムの世界  作者: エディ
9/21

第二章1

前書き



 神話とはファンタジーのお約束。

(ところでこの話はSFファンタジーのはずなんだけど?)

 世界の中心には原初の塔が存在する。塔にはラーベラムの瞳と呼ばれる光り輝く星が存在し、光で世界を照らしだしている。ラーベラムトとはもともと精霊の名前で、その瞳は全てのものを見通すことができるという。世界を照らし出す星は、それゆえにすべての物事を知っていると言われた。

 神話の時代、原初の塔の付け根には一つの大陸のみが存在していた。

 大陸の名はナルディア。

 ナルディア大陸には多くの国々が存在し、戦乱と騒乱が続いていたが、最初の魔術師であり聖王と呼ばれることになるヴェスパシウス王によって、大陸の国々は統一されることになる。ヴェスパシウス王は魔術の力によって普通の人間とは比べられない年月を生きたが、魔術でもってしても抗いがたい老いに侵され、死を迎える。

 その後、彼の王国は息子であるリシス三世へ受け継がれる。

 世界を統べる王となったリシス三世だが、彼は父の偉大さを受け継ぐことのできない愚王だった。世界の王でありながら、いつか自分の国が滅ぼされ、自らも殺されてしまうのではないか。そんな恐怖の妄想に取りつかれていた。

 誰が、世界の王に歯向かうことができるだろう。何者が世界の王たる人を殺すことなどできようか。

 しかし、リスト三世は自らに憑りついた想念を、振り払うことができなかった。

 神話の時代には、まだ原初の塔と大陸はつながっていて、原初の塔の付け根に大陸が存在していた。塔の付け根には、人間が立ち入ることのできない強力な魔獣が数多生息し、その頂点には恐るべき巨眼の魔獣が君臨していた。

 もしも、リシス三世の命を狩れるものが者がいるならば、若には存在しない。

――いつか、巨眼の魔獣が牙をむき、自分を殺しに来る。

 恐怖から解放されることのなかったリシス三世は、世界中から軍勢を集め、自らが軍を率いて、巨眼の魔獣を討伐することを決意する。

 軍勢は魔獣たちが住まう領域を突破し、巨眼の魔獣が住む塔の付け根にまでたどり着くことができた。魔獣の体は暗い闇に覆われ、その闇の体の各所に小さな目がいくつもあった。小さいと言っても、そのすべてが人間の体よりも大きく、不気味さを漂わせる。そして、魔獣の名前の通り、小さな目の全てを無視するほどに巨大なひとつの瞳があった。それが天空に浮き上がり、地上の軍勢を睥睨する。

 軍勢が巨眼の魔獣の元へたどり着いたのが、リシス三世のみならず、世界の終わりの始まりとなった。

 自らの住処を人間に侵された巨眼の魔獣は怒り狂った。

 巨大な瞳がリシス三世の率いる膨大の数の軍勢を睨み付けた瞬間、目からは光の刃が放たれた。光はただ一撃ですべての軍勢を飲み込み、大地ごと軍勢を消し去った。

 リシス三世は、ここまで軍勢を率いてたどり着いたことを後悔する暇すらなく、軍勢とともに消滅した。

 だが、それだけでは巨眼の魔獣の怒りは収まらなかった。怒りに我を忘れ、狂乱した魔獣は立てつつけに目から光の刃を世界中に放ちまくった。次々に放たれる光の刃は、世界中の都市を一撃のもとに滅ぼしていく。軍勢がただ光に包まれただけで消えたように、町も村も大都市でさえも、光に飲み込まれるだけで消滅していった。

 さらに魔獣の持つ巨大な二振りの鎌が、天空へと伸ばされる。それは一振りだけで原初の塔にも匹敵する強大な鎌だった。鎌が空へと持ち上げられ、世界を照らし出すラーベラムの瞳の光すらも覆い隠した。世界に影が広がったのち、鎌が大地へと振り下ろされる。

 一つの大陸だったナルディア大陸は魔獣によって切り刻まれた。大地は砕け散り、引き裂かれた。怒り狂う魔獣は、何度も何度も大地に鎌を振り下ろし、大陸はいつくにも引き裂かれていった。

 巨眼の魔獣の怒りが収まった時、神話の時代は終わりを告げた。

 一つであった大陸は振るわれた鎌によって欠片となり、それが空へ浮かび上がった。欠片はやがてラーベラムの瞳の周りを、回るようになる。天空に浮かぶ欠片と言っても、それはとても巨大な大地。ラーベラムの瞳の周りには巨大な七つの浮遊大陸と、大小さまざまな浮遊島が周囲を回るようになった。

 空に浮かんだ大陸と島々には、巨眼の魔獣によって多くの町や村が滅ぼされていた。それでも僅かにしても生き残った人間がいた。

 こうして、神話の時代は幕を閉じ、歴史が始まる。


あとがき


 ファンタジーに付き物の神話ですが、こんなものは普通プロローグにでも入れればいいものですよね~

 でも、仕方がないんです。

 本作ですが、現在公開しているプロローグに落ち着く前、神話から初めてこの物語の世界の歴史を全部書いていくという暴挙に出ました。


 ただそれは神話の部分を書いた時点で、プロローグのレベルを超えた量になっちゃいました。

 そんなわけで神話部分を書いただけで挫折。そして没へ(><)


 一応、この物語は作者である私が今までに妄想しまくったけれど、結局全部ネタで終わってしまってしまって書くことができなかった内容を山ほど詰め込みまくろうという企みがあったりします~

(本当に全部投げ込めるかはまた別の問題ですが~)


(もしかして私って物語作るのより、世界観考える方が好きなのかしら?)



 ついでにこのあとがきを書いた後から、歴史のみを取り扱った話も同時執筆し始めたりして……

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