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ラーベラムの世界  作者: エディ
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プロローグ1

前書き


*注意

 この物語の前書き、およびあとがきは、本編の内容を全く考えてない作者の戯言によってできています。

 読後感とか、シリアスさと言ったものを粉砕するだけなので、そういうのが嫌な人は、前書き・あとがきを読まずにスルーすることをお勧めします。

 何も考えたくなかった。

 地面に寝そべった姿勢のまま、瞼をきつく閉じ、外の光景が決して目に触れることがないようにと腕で塞ぐ。それで現実が変わることなど決してない。それが分かっていてなお、決して見たくないものがある。

 体がひどく重く感じ、息をするだけでも体力が奪われてしまう。ひどい倦怠感に襲われ、体の中からまるで力が湧いてこない。頭はひどい頭痛に襲われ、吐き気すらした。

 今は何も考えたくなかった。

 だから、自分の瞼から冷たい滴となった涙が零れ落ちているのに気付いたのは、一体いつになってからだろう。

「ああ、今俺は泣いているのか」

 そんなことを思った。

 それから自分が今寝転がっている地面から伝わってくる冷たさを感じ、風が吹き、木々ざわめきを立てる音が聞こえる。風が優しく肌をなでる感触が伝わってくる。

 まるで自然に慰められているようだ。

 そう思いたかった。

 その慰めに力づけられてか、やがて視界を塞いでいた腕をのけ、瞼をゆっくりと持ち上げていく。

 どれくらい瞼を閉じていたのかわからないほどの時間がたっていた。ただ、長い間外界の光を遮断していた瞳に入り込んだ光は、あまりにも強く強烈に感じた。

 思わず瞼を閉じそうになるが、それでも強い光に負けまいと、決して瞼を閉じることはしなかった。

 そうして、青い空が目に飛び込んできた。それから瞳を右に左に動かし、周囲は木々が立ち並んでいる場所だと分かる。

 見覚えはまるでない場所だ。そう思いつつ、体をゆっくりと持ち上げる。ひどく重く感じる身体だが、それでもなんとか上半身を起こし、周囲の様子を見た。

「知らない場所か……」

 ひどくかすれた声だった。まるで自分の声でないようだったが、そんなことを気にする余裕もなかった。それが自分の声でも、他人の声でもどうでもいい。そんなことは他人事のようにしか思えない。

 それでも、ここは木々が立ち並ぶ森の中。自分が全く知らない場所にいるということだけは理解できた。

 それならば、一つだけわかることがある。自分がここにいるということは、この身は許されざることをしでかしたのだ。

 そこまで思い至り、視線を大地へ向けた。

 さっきまで流れていた涙は枯れ果て、一つの滴も出てこない。声に出す嗚咽も出てこない。顔を歪めて泣くようなことすらできない。ただ沈黙し、何も考えられなかった。

 それでも、自分の中で許されない罪悪感だけが、ただ静かに心の内を覆う。

「ふう、やれやれ。今回は本当に死ぬかと思ったよ」

 ただ沈黙していた傍で、別の人間の声がした。よく知った声だ。

 足音がして、声の主が傍へとやってくる。

「ひどく落ち込んでいるように見えるけど?」

「……」

 やけに明るく聞こえる声だが、それに答えたくなかった。だが、そんな気持ちなどお構いなしで、軽薄な声は続ける。

「やれやれ、君という存在は非常に矛盾の塊だね。どうしてそんなにまでして人間……」

 軽薄な声がそこまで言ったところで、ひと睨みして黙らせた。睨まれたぐらいで口をつぐむような奴でないが、軽薄な声の主は顔にうっすらと冷笑を浮かべて沈黙した。

「まあ、君が罪悪感を抱えて落ち込むのは結構。とはいえ、プププ、今の君は」

 と、突然笑い出す。

「何がおかしい?」

 怪訝に問い返す。

 疑問を抱く俺の前で、軽薄な声の男は冷笑を浮かべたまま、手を差し出してきた。

「とりあえず、立てるだけの元気はあるかい?よければ、僕が手を貸してあげますよ、王子様」

 王子様という部分に含みを持たせる軽薄な声の主。

「いらん!」

 差し出された手を乱暴に振り払って、立ち上がろうとした。上半身だけ起こしていた体制から、手に力を入れて勢いよく立ち上がろうとした。だが自分の意思に反して、体がそれに答えてくれなかった。立ち上がろうと地面に着いていた腕ががくりと震え、そのまま起こしていた上半身ごと地面に倒れてしまう。

 幸い地面は柔らかな土だったが、倒れた拍子に後頭部を地面にぶつけてしまった。

「クッ」

 痛くはなかった。だが、倒れた衝撃で肺の中の空気を吐き出してしまう。

「おやおや、これは想像以上に弱ってるみたいだ。もしかしたら、今の君なら簡単に死ねるかもしれない」

 軽薄な男が口にした死という言葉を聞いて、一瞬考えるものがあった。だが、すぐにその想念を振り払う。

「馬鹿をやってないで、手を貸してくれ」

 そう言って、手を伸ばした。

「ふーん、君が僕を頼るってことは、これは本格的に消耗しているね。まあ別にいいけど」

 そう言い軽薄な男が差し出した手を、つかんだ。

 だが何だろう。激しい違和感がある。軽薄な男の手が、なぜか自分の手と比べてひどく大きく感じる。

 そんな疑念を抱きつつもに、軽薄な男の手を借りて、勢いをつけて立ち上がった。

 立ち上がった勢いで前のめりになるが、今度は倒れまいとなんとか足を踏ん張って耐えた。それでも膝のあたりが笑うように震える。

 これではまるでヨボヨボの老人か、でなければ立ち始めたばかりの赤ん坊じゃないか。

 自分の力の入らない体に呆れたが、自分でもどうにもできないのだから仕方がなかった。

「ところでクラウ。今の君はとても面白い姿をしているよ」

 軽薄な男に、自分の名を呼ばれた。

 俺……クラウは、軽薄な男に視線を向ける。

 そしておかしかった。目の前にいる軽薄な男とは、身長は大して変わらないはずだ。普通に視線を合わせれば軽薄な男の顔が見えるはずなのに、なぜか今は腹のあたりが見えている。それから、顔ごと視線を上に向けることで軽薄な男の視線と合った。

 それでようやく自分が男に見下ろされていることに気付いた。

「……お前、いつからでかくなった?」

「ノンノン、君が小さくなったんだよ」

 軽薄な男は陽気な声で答える。

 それから、我慢できなくなったのか笑い出した。それも腹を抱えて。

「あははは。傑作だ。こんなことがあるなんて。そうだせっかくだから鏡でも見るといい」

「……見たくない!」

 愉快に笑う声に、俺は不機嫌に怒鳴り返した。

 こういう経験は前にもある。だから、俺は軽薄男から体ごと反対を向いて視線を合わせないようにした。それから、自分の手をまじまじと見つめ、それから体をてでなでまわし、足の長さを目と手で直接確認する。

「……」

「アハハハハ、ちっこくなってやんの」

 軽薄男の声が、今の俺の状態をこれ以上なく正確に伝えていた。

「十歳児ってところかな?」

「言うな!」

「おやおや、思春期にはまだ早いお年頃だけど、今の君は随分幼い格好になっちゃってるねー」

 面白おかしくいう軽薄男の声に、俺は不機嫌に言う。とはいえ、自分が幼くなってしまっていることが、ひどくショックだった。すでに経験したことがあるこの状態だが、またもこんなサイズになっているとは、自分で自分のことが嘆かわしい。

「とにかく、こんなところにいつまでもいる気にもなれない。とりあえず、どこかに行くぞ」

「どこに?」

 いまだに面白そうにしている軽薄男が訪ねる。

「太陽が出ている方に……」

 どこに行くのでもよかった。とりあえず、向かう方向は陽の出る方向。それだけ決めて太陽を見た瞬間、俺は目を疑った。

 森の木々の間から、遥か彼方にある太陽の姿が見えた。ただ、その太陽は青い輝きを発している。見慣れない太陽の色だが、それよりも俺を絶句させたのは、太陽の上下に垂直な白亜の塔が延々と延び続けていることだった。その塔は太陽よりもはるかに巨大で、それが天の果てから、見える限りの地の底へと絶えることなく延び続けている。

「あれは、なんだ?」

 こんな光景は今までに見たことがない。

「さあ?」

 と、興味なさそうに傍にいる軽薄男は答えた。

「それより向かうのは太陽の方角。ここでは日が暮れるのか知らないけど、さっさと歩かないと夜になるよ」

 そう言い、軽薄男は先にスタスタと歩き始めた。

「……」

 そんな軽薄男のことも気にならず、俺は青い太陽と白亜の塔を見続けた。

「一体ここは何なんだ……」

 俺はこんな光景に、今までに一度として見たことがなかった。


あとがきという名の、作者の戯言コーナー


『それはありふれた物語、ただ少し結末が違うだけ』そんな物語が存在しました。

 この話とは全く関係ない話ですが、存在しました。


 あれは私にとって史上最大の黒歴史です。

 だって、内容が中二病って意味での黒歴史でなく、日本語崩壊してる意味での黒歴史だもの。

 もう書き直しようがないほどに、ひどいから、どうにもならないね。


 近年は一、二年ごとに一本しか小説書いてないので、もう腕も勘も鈍りまくりですよ~

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