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実力試験
昨日と変わらぬ通学路。
こちらを見て、ひそひそと話を立てている生徒たちも、昨日と変わらない光景だ。
しかし、燐慟の隣にはセーラー服を身に纏い、頬に朱がさしている少女が歩を並べている。
「がっ、学園では、あたしが燐慟様を、お護りしますので、あ、安心してください」
「……………」
「何人たりとも、燐慟様には手を出させませんので」
「……………」
「ふ、ふつつか者ではありますが、この命に換えても、燐慟様をお護りし…………いひゃい!?」
その少女の頬を引っ張ると、ようやく言葉の窓を閉じたようで、燐慟はその手を離した。
「うるさいし、重い。俺の身は俺で護る。お前は自分の心配だけしていろ。ここは──戦場だ」
すると、先ほどまでの表情とはうって変わって、いつになく真面目な顔のユリ。
どうやら、理解したらしい。
「……あ、燐慟様──」
「お、リンドウじゃん。おはよう、ってその子誰?」
突然、左から声が降り注いだ。
聞き覚えのある声。
──蓮だ