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file1:N.F.S襲来済み!

そこはふわふわのカーペットやソファーがあり、天井からシャンデリアがぶら下がっているーー誰の目にも金持ちと分かる居間の造りになっていた。

そしてその部屋の中央におかれた金庫の中に、ダイヤの首飾りが入れられていた……そう、いまはもう入っていないのだ。

「くそっ、N.F.Sめ!」

茶色いコートに髭面の男が、床に落ちていた『N.F.S参上!』と書かれた名刺を乱雑に踏みつける。

「権田原警部! それは証拠品ですが……」

慌てて側にいた灰色のスーツにメガネの男が止めるも、

「かまわん! どうせ何の証拠も出やせんのだ!」

言いながら名刺を拾い上げ、権田原はビリビリに破いてしまった。

N.F.Sから予告状の届いたこの家には、権田原を筆頭に部屋を完全に包囲していた。もちろん施錠も怠っていない。

だが、暗闇に乗じて現れた盗賊団の姿は影も形もなくなっている。閉めたはずの鍵はあっさりと開いており、包囲網は一点に向けられた集中攻撃により突破されてしまった。

「まあまあ権田原警部、そうカッカしなさんな。どうせ盗んだ代物は数日中には帰ってくるじゃろうし」

灰色のガウンを着込んだ壮年の紳士が、ポンと権田原の肩を叩く。

「あなたがたがそんなだから、あのガキどもは調子に乗るんです!」

権田原が荒々しい口調で紳士を突き飛ばす。

紳士はよろめきながら床へと尻餅をつきそうになったところを、メガネの男に支えられていた。

「まったく、この街の住人ときたら、N.F.Sが来るのをたのしんどるんだから始末が悪い」

ぶつぶつと呟く権田原に、一人の巡査らしき男が駆け寄っていく。

「権田原警部」

「なんだ、新しい情報でも入ったか?」

「宮部署長からの連絡です。話があるのですぐ署に帰るようにと」

「わかった」

権田原の返事を聞くと、巡査は敬礼をして持ち場へと戻った。

「なんのようだってんだまったく。おい、田淵、いったん戻るぞ」

「了解です」

権田原と田淵はパトカーへと乗り込むと、署へ向かって車を発進させた。

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