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牢獄での出会い



床を通り伝わる冷ややかな感触。

寝るには硬い床で俺は目を覚ました。

正しくは意識を取り戻したというのが正解かもしれない。


「……どこだ?」


鈍い頭痛に顔をしかめながら上半身を起こすと、俺が寝ていたのは牢屋だった。三方を石の壁に囲まれ残りの一方は鉄の格子、紛れも無い牢屋である。


一体俺がどんな罪を犯したというのだろうか?

ここ最近で俺が何か悪い事をしたのだろうか?


思い当たる節は全くない。

突然現れた爺のせいで何もかもが狂わされたのだ。


「神島は…いないか…」


爺は神島と同じ所へ行くと行っていたが、牢屋の中からじゃ何もわからない。

一体俺が今、何故、ここにいるのかも。


「はっ!刀は!?」


牢屋に入れられるという状況なら当たり前かもしれないが、俺の愛刀は腰から姿を消していた。妹の小太刀もだ。


思わずため息をつきそうになるが、止める。嘆いても仕方ない。取られた物は取り返すしかないのだ。


妹もここにいると爺が言っていた。幼くして突然消えた妹が。


しかし、ここを出ない事には始まらない。

俺は何かないか格子の近くに寄る。


「おはようございます。ようこそ帝国第七要塞地下牢獄004番へ」


帽子を被り制服をビシッと着込んだ男が牢屋の外に立っていた。

帽子から見える髪は銀色、瞳の色は輝く様な碧、顔立ちの整った色男だった。

恐らくこの男が看守なのだろう。


「帝国?要塞?つか、ようこそって何歓迎してんだよ」


とりあえず、先の疑問だらけの発言に応対することに。


「私はここの地下牢獄の看守を勤めているセリル=グネースと申します。以後お見知りおきを」


帽子を取り優雅に一礼してみせるセリル。牢獄にぶち込む人間に対してここまで丁寧に扱うとは一体どういうことなんだ?


「あぁ。ところで、ここはどこなんだ?」


「ふむ、その発言。やはり貴方は新参者のようですね」


「新参者?」


「おっと失礼」



俺が聞こうとしたところで廊下の右奥の扉が開く音がする。


「セリル、005番へぶち込め」


「了解しました。ですが、この傷は……」


「へっ、知った事じゃねぇ」


どうやら新しく牢屋に入れられる様な人間が来たようだ。しかも怪我人。

再び扉が閉まる音が聞こえセリルともう一人の足音が廊下に響く。


俺の牢屋の前まで来たそれを見て俺は息を呑んだ。


セリルが連れていたのは羽の生えた何とも美しい少女だったのだ。


鮮やかな程美しい金髪、薄くエメラルドの様に輝く瞳、肌は滑らかに白いがところどころに生々しい傷や血がついている。


そして背中には白い羽が一枚、血に染まった白い羽が一枚だけ、寂しげに垂れていた。

もう一枚の羽がどうなったのかは想像に難くない。


何故羽が生えているのか、何がどうしてそうなったのか、わからない事しかない。


「この薬を使いなさい」


「……はい」


005番の牢屋にその子を入れ塗り薬の様な物を渡したセリルは再びこちらへ戻って来る。


「郊外の戦闘に巻き込まれたようです。酷いものですよ」


「何で被害者を牢屋に入れるんだよ!」


「下っ端は黙って従えば良い。ここのルールですよ」

だからってそんなのおかしい。まだ言ってやりたい事はたくさんあったがセリルの辛そうな顔を見てその言葉を飲み込む。


「…色々聞きたい事がある」

「答えられる範囲でなら、喜んで」


俺はその場に胡座をかきセリルを見上げながら言うとセリルは近くの椅子に座り答えた。


「さっき言ってた新参者ってのはなんだ?後、ここはどこだ?」


とりあえず確認しておきたいことだ。爺に会ってからわからない事だらけだったがいい加減知りたい。


「その前に質問です。貴方は地球からやって来たのですね?」


「…待った、その言い方だと…」


「ここは地球ではありません」



やっぱりか。というのがまず思った感想だ。日本人にこんな銀髪の男はまずいないだろうし、帝国何て言う大仰な名前をつけている国は地球にはもう無い。


おまけに地球に羽の生えた少女がいるなんて見た事も聞いた事もない。


結論はここは地球ではない、ということだ。



「ここはアミストレアと言う星のムガルト帝国という国です」


「そこに新しくやって来たのが新参者って訳か?」


「そういうことです」



これは想像以上の展開だ。あの爺、なんて所に飛ばしてくれやがった。次あったら確実にぶん殴る。


「それぞれの種族には貴方でいう地球の様に故郷があります。そこから何故かここに飛ばされた者を新参者と呼んでいるのです」


ならば俺と同じ境遇の奴らがたくさんいるという訳か。妹がこの星にいるのも頷ける。


「ここアミストレアには大きく分けて4つの種族がいます。1つは魔人、魔法という独自の能力を使い天変地異、森羅万象、風林火山となんでもありの種族です」


なんだそのチート種族。てか魔法っておい。俺にも使えないかな。


「2つ目は獣人。文字通り獣と人の中間種族です。身体能力は4種族の中で最も高いと言われています」


この世には猫耳属性まであるのか。地球の男が聞いたら宇宙開発命懸けでやってこの星見つけてくれるんじゃないか?


「3つ目は貴方方、真人間。特に秀でた能力はありませんね」


「謝れ」


「すいません。4つ目は隣の方の様な鳥人。翼を持ち大空を自由に羽ばたけます」



なるほど、彼女は鳥人なのか。だけど片翼じゃ飛ぶことは出来ないだろう。

翼を無くした鳥人、余りに酷いな。


「彼女の翼なんとかならないのか?」


小声で聞く俺にセリルはあくまで冷静に答える。


「それぞれの種族の里という物があり、鳥人の里に行けばもしかしたら……」


「ここから出してやれないのか?」



しかしそこでまた廊下の扉が開く。セリルは椅子から立ち上がり右へ姿を消す。

再び女の子のようだ。


「ちょっと!触んないでって!」


「うるさい!さっさと歩け!セリル、006番だ!」


「了解しました」


「もぅ!なんなのよ!」



続いて現れた女の子はまさに獣人のネコの女の子だった。


明るい茶色の髪の隙間から生えたネコ耳はピクピクと動き尻尾は優雅に揺れている。

綺麗な灰色の目は活発な印象を与える。


「首尾はどうですか?」

「問題ないよ、マスター」


何やら小声で会話しているセリルとネコ少女。もしかしたら知り合いなのだろうか?


「ちょっとこの子の手当てをしていてくれないか?」

「うわ、酷い傷!大丈夫?」

「はい、なんとか…」



セリルはネコ少女を005番に入れて鳥人の彼女を介抱させている様だ。勝手なことして大丈夫なのだろうか?


「アンタ、色々と俺に教えてくれてるけど大丈夫なのか?そこら辺の規則とかないの?」



先程から気になっていた事だ。仮にも牢屋の中と外にいる人間同士だ。勝手に交流して良いものなのだろうか。


「ご心配には及びません。もうこの看守も辞めますから」


ニヤリと不敵な笑みを見せるセリルに俺は何となくだが親近感を感じた。

こいつのこの目は俺の敵じゃない。


「貴方、隣の子を出せないか?と聞きましたね?」


格子に顔を近づけ声を抑えて言うセリルに無言で頷く。


「見ず知らずの女の子を助けたいと言う訳ですね。名前も知らない女の子を」


「出来るなら俺もここから出して貰えたら嬉しいかなぁ」


大体なんで俺牢屋に入れられてるんだよ。何もしてないのに。


「貴方がこの星に来てから今日で4日目です。実は貴方を助けて欲しいと依頼を受けて今私はここにいるのですよ」


「俺4日も寝てたのかよ……。誰からの依頼だ?」


セリルは声を抑えたまま静かに言う。


「国王からです」


「国王ぉ?」


そんな大層な人物に借りを作った覚えないんだけどな。まさかあの爺の差し金か…?



「詳しい話はここを出てからにしましょう。しっかりと彼女と自分の身を守って下さいよ?」



そう言ってセリルはどこから取り出したのか、俺の刀と妹の小太刀を手渡してくる。


「アンタにも見せてやるよ、柳葉無刃流」


セリルに負けじと不敵な笑みを見せつけ、鍵の開いた扉を抜ける。


「フール、手当てはどうだい?」


「バッチリだよマスター!」


ネコ少女、フールは鉄の格子を爪で切り裂いて牢屋から出る。



「マスター?」


「フールと私は主従関係にあるんだ。まぁそこら辺も後で詳しく話してあげるよ」


フールに続いて出てきた彼女は戸惑っている様な顔でキョロキョロしている。


「私はセリル=グネース」


「フールだよ〜セリル様の従者ぁ」


「柳刃 仁だ」



セリルに続いて簡潔な自己紹介をする。そんな状況に鳥人の少女はこう言った。


「アンジェ…です」



その時見せた少女の笑顔はとても美しく、可憐なものだった。


書いてて楽しい…!


けど自分の妄想力に文才がついていけない……

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