始まり
――平成××年。異世界戦争勃発。
そのころ、世界は2つに分かれていた。
東 剣と魔法の世界
西 近代的世界
この文章は、約30年間続いた、戦争の記録だ・・・・・・。
東、国境警備隊本部。見張り塔。朝9時35分27秒。
2人が見張りについていた。
「おい、何か飛んでるぞ?」
「はあ? ・・・何だ、あれ」
「見たことない鳥だ。白くて細長い」
「ち、ちょっと待て! こっちに突っ込んで来るぞ!!」
「違う! 本部棟の方だ!!」
そのまま、白くて細長いものは、本部へ突っ込み、そして・・・・・・。
爆発した。
窓が割れ、壁が崩れる。
2人はすぐにシールドを張ったので、無事だった。
「ほ・・・本部が!!!」
「急げ! 被害の状況を確かめるんだ!」
2人は駆けていった・・・・・・。
西、国境警備隊本部。見回り途中。5人で巡回中。同時刻。
快晴の空に、いきなり、雲が押し寄せてきた。
「おい、いきなり曇ったなあ」
「ああ、こんなの初めてだ」
「・・・? 見てみろよ、なんか光ってるぞ?」
「ん? 本当だ」
そして、光は、雲の3点に向かって、収束し始めた。
「これって・・・・・・連絡したほうが―――――」
最後まで言う前に、3点から、’太い雷’が、本部へ向かって、一気に照射された。
視界がホワイトアウトする。そして、見えるようになって・・・・・・。
「おい! 本部が消し飛んでるぞ!!」
「何っ!?」
本部があった場所は、瓦礫の山と化していた。
「ほ・・・・・・本部が・・・そんな馬鹿な・・・・」
5人は、ただ立ち尽くすしか無かった・・・・・・。
2つの世界は、同じ時間に、それぞれが異世界からの攻撃を受けたと発表。
誰もが、’攻撃を受けた’と錯覚した。
そしてこれが、後への”戦争”に、繋がっていくのである・・・・・・。